タマシャジンの育て方
フィティウマ・ショイヒツェリ(タマシャジン)
- 科名
- キキョウ科
- 学名
- Phyteuma
- 別名
- ファティウマ
- 原産地
- ヨーロッパアルプス アペニン山脈
- 大きさ
- 10cm~40cm
- 主な開花期
- 4月~5月
- 耐寒性
- ふつう
- 難易度
- 種により異なる
こんな植物です
タマシャジンが属するキキョウ科フィテウマ属は約50~60種の仲間が西アジアからアルプスにかけて分布します。その中でも通常、タマシャジンの名前で栽培されているのはヨーロッパアルプス、アペニン山脈原産のフィテウマ・ショイヒツェリ〔P. scheuchzeri〕で岩場や礫原などに自生する高山植物です(以下、文中で断りのない場合はこの種をタマシャジンとします)。
草丈は低く、全体的に小型で春に美しい青紫色の花を玉状に咲かせます。非常に特徴的でユニークな花姿からはキキョウ科というのがあまり想像できません。 高山植物の中では比較的暑さに強く花付きも良いので育てやすい部類にはいると思います。花の色素が抜けた白花種も存在します。
種類
〔〕内は学名、P.はPhyteumaの略。
タマシャジンと同じ品種なのか、園芸品種なのか…非常に類似したフィテウマ・コメットスターという種が流通していますが、詳細は不明です。ただ、タマシャジン同様暑さに強く育てやすいです。
同じフィテウマ属の仲間でもグロプラリフォリウム〔P. globulariifolium〕のようなアルプスの3000m級の場所に自生するものは暑さに弱く育てにくいです。また、以前はフィティウマ属に 分類されていたフィソプレックス・コモーサ〔Physoplexis comosa〕(旧フィテウマ・コモースム)」は別名「悪魔の爪」と呼ばれ、非常に特徴的な姿をしています。
育て方
- ・過湿に弱い
- ・液体肥料は薄いものを与える
- ・タネをまいてふやす
●ポイント
はじめに
品種によって耐暑性が違い難易度も異なります。ここではもっとも育てやすいタマシャジン(ファテウマ・ショイヒツェリ)について説明します。
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 5月下~6月 / 10月 |
---|---|
肥料 | 5月~6月上 / 10月 |
日当たり・置き場所
一年を通して日当たりと風通しの良い場所が適しています。高山植物の中では暑さに強い方ですが、真夏は熱のこもらない風通しの良い場所を選んだ方がよいでしょう。過湿に弱いので、置き場所は雨の当たらない所がよいです。
水やり・肥料
水は土の表面が乾いてから与えるようにします。乾燥に強く過湿に弱いのでやり過ぎに気をつけましょう。
花後と秋に固形の化成肥料を少量施すか、生育中に薄めの液体肥料を週1回の割合で与えます。濃い肥料は根腐れの原因になるので気をつけましょう。標準が1000倍に薄めて使う液体肥料なら、タマシャジンの場合は2000倍の濃度で与えます。
かかりやすい病害虫
とくにありません。
植え付けと用土
植え付けは通気性の良い鉢(山草鉢など)が適しており、根がよく張るので深めのものを選ぶとよいでしょう。株の大きさにもよりますが3号~5号(直径9cm~15cm)鉢に1株が適当です。根の生育がおう盛で、根詰まりをおこしやすいので1年~2年に1度植え替えます。作業の適期は花後すぐ~6月下旬、10月が適期です。
用土は水はけの良いことが大事です。鹿沼土と軽石砂を同量混ぜたものを用います。あらかじめ目の細かいふるいで微塵(崩れて粉になってしまった土、水はけを悪くする原因になります)を取り除いておきましょう。
ふやし方
タネからふやすのが簡単です。発芽率が比較的よく生長も早く、1年で花の咲く株になります。タネのまく時期は早春(1月~3月中旬)が適期です。
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イワシャジン
キキョウ科 難易度★★★☆☆
細い茎に釣鐘状のかわいらしい花が咲きます。岩場に生えます。