タブノキの育て方
- 科名
- クスノキ科
- 学名
- Machilus thunbergii
- 別名
- イヌグス タマグス
- 原産地
- 日本 朝鮮半島南部 台湾
- 大きさ
- 15m~30m
- 主な開花期
- 4月~5月
- 耐寒性
- ふつう
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
〔〕内は学名 M.はMachilusの略。
日本(東北中部以南~沖縄)、朝鮮半島南部に分布する常緑樹で、日本の照葉樹林を代表する木のひとつです。北の方では主に海岸線、南の方では海岸線から山地まで自生します。公園や寺社に植えられています。枝が横に大きく張り空間をとるからか、庭木としてはあまり活用されません。防潮や防風のために海岸沿いに植栽されることもあり、海の近くで並木を見ることもあります。
樹高は通常15mほどですが、大きなものは30mに及ぶ巨樹になります。樹皮は若い頃は灰色で滑らかですが、樹齢を重ねると褐色を帯びて細かく割れ目が入ります。
葉っぱは先端が尖り気味に伸びた長楕円形で、光沢のある濃緑色です。やや厚みはあり、全縁(縁がギザギザにならない)です。枝には左右交互に付く互生です。新葉は赤味を帯びます。
開花期は4月~5月です。葉を出すと同時に花茎を伸ばして、黄緑色の小さな花がまとまってたくさん咲きます。花は6つに裂けて星形に開きます。最初に雌しべが育ち、その後、雄しべが立ち上がって花粉を出します(雌性先熟)。
果実は直径1cmほどの球形で夏に熟して黒紫色になり、柄部分は赤味を帯びます。果肉は緑色でその中に1コのタネが入っています。
近い仲間にホソバタブ〔M. japonica〕があります。タブノキより葉が細身で新葉が赤味を帯びない等の違いがあります。
用途・由来
樹皮を粉末にしたもの(椨粉-たぶこ-)は水を加えると粘りが出るので、線香のつなぎになります(香料と混ぜ合わせて固められ、線香になります)。樹皮は染料としても使われ、八丈島の黄八丈が特に有名です。
古くから知られていたようで、万葉集に詠まれている
磯の上の 都万麻を見れば 根を延へて 年深からし 神さびにけり [巻19・4159]
の「つまま(都万麻)」はタブノキを指していると言われます。
名前の由来は不明です。一説には韓国で『船』を意味する方言『トンベ』が訛ったものではないかと言われています。別名のイヌグスはクスノキよりも劣るという意味です。
育て方
- ・日当たりを好みますが、多少の耐寒性もあります
●ポイント
栽培カレンダー
日常の手入れ
枝を切ってもよく芽吹きますが、通常刈りこんで形を整えることはありません。
日当たり・置き場所
日当たりの良い場所が適していますが、ある程度の日陰にも耐えます。特に幼木は耐陰性が強いとされます。土質はあまり選びませんが、肥沃で、適度な湿り気のある土壌でよく育ちます。暖地性の樹木ですが、耐寒性はそこそこあり、クスノキより強いです。植栽適地は本州~沖縄です。
かかりやすい病害虫
とくにありません。
ふやし方
タネまき、さし木でふやします。
その他の画像
関連する植物
-
クスノキ
クスノキ科 難易度★★★☆☆
西日本では街路樹や並木でよく見られる常緑樹、樟脳で有名。