6. 平鉢にタネをまく
平鉢まきの利点
平鉢は浅鉢とも言い、直径よりも高さが低い(浅い)鉢のことです。素焼き鉢や駄温鉢のものが広く出回っています。駄温鉢は堅焼きされた(高温で焼かれた)素焼き鉢のようなもので、プラスチック鉢が出回る以前の植木鉢というと、これが多かったです。大きさは4号~6号(直径12cm~18cm)のものが扱いやすいです。まきたいタネの量に応じて使い分けると良いでしょう。
まいた後にあまり厚く土をかぶせなくてよい、細かいタネをばらまきするのに適しています。少量で多品種をまきたい場合も、小さめの鉢を複数用意すれば良いので、場所をあまり取らず管理しやすいです。
発芽後、苗が育つために鉢の広さには余裕があったほうが良いですが、深さは要りません。根が深く張る前に植え替えてしまうからです。深い鉢にすると土が入りすぎてもったいないです。
その他、必要なもの
必要…受け皿 用土 平鉢
あれば良いもの…ピンセット ハガキなどの紙(やや厚手なもの) 目の細かいふるい
手順1 タネまきから芽が出るまで
1.鉢底ネットを敷き、土を入れる 鉢底の排水穴はそのままだと、土を入れたときに流れ出てしまいます。市販の鉢底ネットでふたをしましょう。 |
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2.ならす 表面が平らになるよう、手や板きれで表面をならします。力を入れすぎずに、軽く抑えるくらいの加減でまんべんなく。 |
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3.タネをまく 基本は『ばらまき』です。具体的には指でつまんでパラパラとまけばよいですが、均等にまければいいので、特に決まったやり方はありません。人によって色々なスタイルがあります。つまめる程度のおおきさなら、ピンセットを使って1粒ずつまいても良いです。 |
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4.土をかぶせる(覆土) できるだけ細かい目のふるいを使い、タネが隠れる程度の土をまんべんなくかぶせます。覆土にムラが出ると発芽が揃わないことがあります。ふるいがない場合は手でなるべく丁寧に土をかぶせます。 |
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5.水やり 上から水をかけると水流でタネが流れてしまったり、土が掘り返されてしまうので、底面から吸水させます 受け皿を敷いて、そこに水をたっぷり入れるだけです。水がなくなったら、受け皿に水を注ぎ、発芽するまでその状態をキープします。受け皿は深めのもので、鉢の直径と同じがそれより一回り大きなものが扱いやすいでしょう。 |
タネまき後の管理
タネまき後は、雨の当たらない半日陰の場所に置きます。乾かないようにときどきチェックして、受け皿の水が少なくなったら足します。
直射日光の当たる場所に置くと、表面に緑色の藻のようなものが発生します。また、室内や風通しの悪い場所ではカビが生えることがあるので気をつけます。
手順2 間引き
発芽したら
水を切らさないように管理すると、植物によって差はありますが次々と発芽がはじまります。今まで位場所に置いていた鉢は、できるだけ日の当たる明るい場所に移動させましょう。暗い場所に置いておくと、胚軸がひょろよろに伸びて(徒長)芽が倒れてしまいます。よく日に当てて、寸の詰まったがっしりした苗に育てましょう。
この時期の芽は少しでも水切れさせてしまうと、しおれてそのままちりちりに枯れることもあるので、油断できません。
この時期のみずみずしい葉はナメクジに食い荒らされることが多いです。その点にも充分留意して、ナメクジ除けをまくなど対策を立てましょう。
1.間引く 発芽した芽がきゅうくつな状態になると、充分に日射しが行き渡らず、ひょろひょろした苗になります。風通しも悪くなり、蒸れて枯れることもあります。隣り合う苗の葉っが重なり合っているようなら、どちらかを間引いて間隔を空けます。 ピンセットを用いて苗を引っこ抜きます。付け根をしっかり掴んで、まっすぐ上に引き抜きます。このとき、となりの苗の葉っぱが引っかかったりしないように気をつけます。 |
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2.間引く つづき 大きくなった苗は根がある程度張っているので、引っこ抜くときにとなりの苗まで引きずられて浮いたり、抜けてしまうことがあるので注意します。無理矢理引き抜こうとせず、付け根からハサミできりおとします。 根は残りますが、日射しと風通しを良くするのが一番の目的なので、これで大丈夫です。 タネをまくときに、均等にスペースを空けてまかないと、この作業をする際に苦労します。 |
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3.肥料 双葉の次の葉っぱ(本葉)が完全に開いたら、草花に与えるのと同じ濃さの液体肥料を受け皿に注いで、底面から吸水させます。与える間隔は2週間に1回程度です。 この後の作業は『9.移植する』に続きます。 |