5. 床まきの種類と方法
タネをまこう
ここまで長かったですが、もう少し続きます。
前ページでは直まきと床まきを紹介しましたが、草花のまき方では主流である床まきを説明します。床まきと言っても使う容器によっていくつかやり方がありますので、具体的な方法を紹介します。
どんな土を使うか
まず、どんな土がタネまきに適しているでしょうか?大切なのは「粒が細かくて揃っていること」「清潔なこと」の2つです。
粒が細かく揃っていること
土の粒がごろごろと粗いと、細かいタネをまいた場合、すき間にはまり込んでしまいます。また、根もしっかりと張れません。そして、粒が揃っていないと乾き具合にムラが出ます。
清潔なこと
一度使用した土(古土)には病原菌や虫のいる可能性もあります。発芽したての芽はデリケートで、立ち枯れ病などの病気にかかるとあっさりとダメになってしまいます。清潔というのは、そのような病気や虫がいないことを指します。
適した土
一番手軽なのは、やや割高の場合もありますが、市販されているタネまき用の培養土です。ちょっとまくなら充分です。
たくさんまく場合や自分で色々試したいなら、赤玉土の小粒(細粒)やバーミキュライト、ピートモスなどが上記の条件をクリアしており、タネまきに適しています。これらをそのまま使っても良いですし、好みにブレンドしても良いでしょう。
色々な方法
床まきの種類にもいくつかのやり方があります。ここではまず、代表的な3つのやり方をさわり程度に紹介します。具体的なやり方については個々のページにて詳しく説明しますので、自分に合っていると思ったやり方をチェックしてみてください。
平鉢まき
高さの低い(浅い)鉢にまく方法です。量がさほど多くなく、粒が細かいタネをまくのに適しています。均等にまかないと、発芽したときに間引きや移植がしにくくなるので、丁寧に作業する必要があります。床まきの中では一番応用範囲が広いと思います。
箱まき
育苗箱など、平たい容器を使ってまく方法です。多品種を同時にまく場合、多めにまいてたくさん苗を作りたい場合、粒が中~大きめのタネをまくのに適しています。
ポットまき
ビニール製のポットにまく方法です。植え替えの手間を極力省略したい、さほどたくさんの苗が必要でない場合に適しています。あまり細かいタネは適さず、粒の大きいタネに向きの方法です。
タネまきの手順
大きな流れは『タネをまき(播種-はしゅ-)』→(発芽)→『間引き』→『移植』となります。発芽後の管理は育苗と言った方が正しいかもしれませんが、一連の流れとしてここでは『移植』までをタネまきとし、それ以降を育苗とします。
タネの大きさや性質に応じて、まく容器やまき方を使い分けますが、それ以降の作業は、どんなまき方でもほぼ共通です。