8. ポットにタネをまく
ポットまきの利点
ポットはビニールでできた、ふにゃふにゃの鉢です。草花や野菜の苗はたいがいポットに植えられた状態で園芸店などの店頭に並びます。軽くて丈夫、柔軟性があって育苗箱にぴっちり詰められるので、非常に便利です。色は黒のものが一般的です。そのポットにタネをまいて育てるのがポットまきです。
指でつまめるくらいの大きなタネをまくのに適しています。一番の利点は平鉢まきや箱まきで必要な『移植』の作業が要らないことです。まいたタネが十分な大きさに育ったら、そのまま花壇や畑、鉢に定植できます。根を傷めないので、根が切れたり傷んだりすると生育が極端に衰える直根性の植物にも適しています
必要なもの
ポット、タネ、用土、鉛筆か、それと同じくらいの太さがある棒
あれば便利…ピンセット
ポットは様々な大きさのものがありますが、一番使いやすいのは2.5号(直径7.5cm)と呼ばれるサイズです。それより一回り小さな2号(直径6cm)や一回り大きな3号(直径9cm)も広く出回っているので、使い分けても良いでしょう。
タネまきに使う用土は、床まきの種類と方法#どんな土を使うかを参照にしてください。
手順1 タネまきから芽が出るまで
1.ポットに土を入れる ポットに八分目まで土を入れ、底をとんとんと叩いてならします。ポットの数は作りたい苗の数と用意したタネの量を考えて用意しましょう。 鉢底の穴が大きくて土がぽろぽろこぼれてくるようなら、土を入れる前に鉢底ネットを敷いたり、穴より少し大きな軽石を一粒入れて土がこぼれないようにします(密閉しないよう気をつける)。 |
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2.水をかけて湿らせる ポットを育苗箱などにきれいに並べ、上から水をかけて土を湿らせます。土が乾いていると、「3.」の作業がしにくいです。 |
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3.穴を空ける ポット1つに付きタネをまく穴を3箇所空けます。鉛筆や棒などで深さ1cm~1.5cmの穴を中心から等間隔の位置に明けます(穴は正三角形の頂点を形作ります)。 |
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4.タネをまく 空けた穴にタネを一粒ずつまきます。まいたタネが100%発芽すればよいですが、通常そう上手くはいきません。ですから、保険の意味も兼ねて1ポットに3粒まきます。1粒ずつまいて、発芽しなかったら、土を入れたポット無駄になりもったいないです。 |
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5.土をかぶせる(覆土) 穴の周りの土を指でつまむようにして落とし込んで、平らにならします。 |
タネまき後の管理
タネをまいた後は、雨の当たらない明るい日陰に置きましょう。土の表面が乾いてきたら水を与えて、発芽まで乾かさないようにします。
手順2 間引き
発芽したら
乾かさないように管理すると、やがて芽が出てきます。いつまでも暗い場所に置いていると、胚軸が間延びして徒長します。徒長すると苗がしっかり自立できずに倒れてしまいます。発芽が確認できたらよく日に当てるようにします。
間引く 複数の芽が発芽したら、よく観察して元気なものを1本残して他を間引きます。3本発芽した場合は、まず1本間引いて、さらに生長してきたら、もう1本間引くと良いでしょう。間引きの時期をずらすのは、できるだけ元気な苗を残すためと、害虫などに食害されることがあるので、そのスペア的な意味を込めてです。 お互いの葉が重なり合って、ポット内がきゅうくつになるまでに行います。きゅうくつになると、日射しが遮られて徒長しやすい上に、風通しが悪くなって病害虫が出やすくなるからです。 |
間引き後の管理
発芽して本葉が出た頃から、草花に与える濃さに希釈した液体肥料を与えます。それ以降はそれぞれの草花にあった管理をします。そしてポット内に充分根が張って、苗が生長したものから、花壇やプランターに植え付け(定植)ます。