トケイソウ

「と」からはじまる植物

トケイソウ
この植物の育て方
科名
トケイソウ科
学名
Passiflora
別名
パッションフラワー
原産地
主に熱帯アメリカ
大きさ
つるが長く伸びる
開花期
7月~9月
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

葉姿
葉の形も種により様々です

熱帯アメリカを中心に、およそ400~500種の仲間が知られている、つる性の多年草です。

鉢植えのほか、つるが長く伸びて、巻きひげでを他のものに絡ませながら上に伸びていくので、壁面緑化などにも利用されます。主な開花期は夏で、花の大きさや葉の形は種によって様々です。

名前の由来

漢字にすると「時計草」で、雄しべと雌しべと針、花びらを文字盤に例えてこの名前があります。英名のパッションフラワーもしくは属名のパッシフローラは「キリスト受難の花」と言う意味です。理由は諸説ありますが一例として、副花冠をキリストの頭上の茨、雄しべや雌しべを十字架などに見立て、花全体でキリストが磔にされた姿に例えたとされます。

不思議な魅力の副花冠

副花冠
おもしろい形の副花冠

普通の花びらの内側に副花冠という別の花びらが付きます。細い糸状や短いヒゲ状で放射状に付くものが多いですが、’ムルクジャ’のように副花冠が筒状になる種もあります。

副花冠自体は珍しいものではありませんが、トケイソウのものは短かったり長かったり、先端がよじれていたり、色がまだらになるものがあったりと、個性的でおもしろいものが多いです。

来歴

日本にはじめて入ってきた種はパッシフローラ・カエルレア〔P. Caerulea〕で、江戸時代中期の享保年間(1716-1735)のことです。現在でも日本で最も普及している種のひとつです。「トケイソウ」というと広い意味ではトケイソウ属の仲間すべてを指しますが、狭い意味では本種を指す和名になります。

カエルレア種はブラジル、パラグアイ、アルゼンチンに分布します。花径は10cmほどで、花びらは淡い紅色や青、副花冠は紫色で真ん中だけ白になります。

主な種類

花を楽しむだけでなく、果実が食用となる種もたくさんあります。パッションフルーツの名前でトロピカルフルーツの一種として知られています。

クダモノトケイソウ〔P. edulis〕

果実は長さ5cmほどでタマゴ型、熟すと赤紫色になります。絞ってジュースにするのがポピュラー。

オオミノトケイソウ〔P. quadrangularis〕

名前の通り果実が大きく、長さ30cmほどになります。

ミズレモン〔P. lauriforia〕

果実が熟すと黄色からオレンジ色になるのでこの名前があります。

クサトケイソウ〔P. foetida〕

漢字で書くと「臭時計草」で葉に独特の臭気があります。熱帯アメリカ原産、生育旺盛で沖縄では持ち込まれたものが野生化しています。

コッキネア〔P. coccinea〕

鮮やかな緋色の花が人目を惹きます。

ホザキノトケイソウ〔P. racemosa〕

ブラジル原産で、赤色の花を1本の花茎から10輪程咲かせます。

その他の画像

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