ツワブキ

キク科 「つ」からはじまる植物

ツワブキ
この植物の育て方
科名
キク科
学名
Farfugium japonicum
別名
ツワ ツヤブキ イシブキ
原産地
日本 台湾
大きさ
高さ20cm~1m
開花期
10月~12月
難易度
★☆☆☆☆(やさしい)

こんな植物です

本州の東北南部より南、四国、九州、沖縄に分布する毎年花を咲かせる多年草です。主に海がごく近い海岸線に自生します。日本以外では台湾にも自生が見られます。

日陰でもよく育ち冬でも緑の葉っぱが枯れずに茂っているので、古くから庭園の下草などに植えられています。鉢植えで楽しむこともできます。病害虫も少なくて日本の気候にも合い、つきあいやすい植物です。

葉は長い軸を持った大きな円形で濃緑色です。葉の表はワックスのような層(クチクラ、英語でキューティクル)でコーティングされており、ツヤツヤした光沢があります。裏側や軸は茶色っぽい毛で被われています。これらコーティングや毛は潮風や乾いた風から本体を守っているとされます。

秋から冬(寒冷地では春)に地際から長く花茎を伸ばして、キクに似た一重の黄色い花をまとめて咲かせます。花後はタンポポの綿毛のようなタネができ、風に飛ばされて散っていきます。

名前の由来

長い軸を持った葉っぱはフキに似ており、その表面はワックスを塗ったような光沢があるところから、「ツヤのあるフキ(蕗)→ツヤブキ」が転じて「ツワブキ」となったと言われます。また、厚みのある葉っぱから「厚い葉のフキ→アツバブキ」に由来する、と言う説もあります。

ツワブキを漢字で書くと「石蕗」となります。古くから親しまれている植物だけに、地方ごとの呼び名(方言名)もたくさんあります。代表的な呼び名に「オカバス」「イシブキ」「イワブキ」「ツワ」「オバコ」などがあります。津和野(島根県)は「ツワの多く生える場所」が語源となっている、と言うエピソードがあります。

品種

変種に大型のオオツワブキ〔var. giganteum〕、沖縄に分布し、葉っぱが扇型になるリュウキュウツワブキ〔var. luchuense〕などが知られています。

葉のバラエティー

通常とは葉っぱの形が違ったり、葉の表に色々な模様の入るものがあります。また、花の変異に八重咲きがあります。

キンモン(金紋)

葉っぱ全体に大小様々な黄色い点々が入ります。星斑とも呼ばれます。

キンカン(金環)

葉っぱに黄色い縁取りが入ります。

シシバ(獅子葉)

葉の縁が大きく波打ちます。

チリメン(縮緬)

葉の表面に細かい凹凸ができます。

シロフクリン(白覆輪)

葉っぱに乳白色の縁取りが不規則に入ります。縁取りが途中で途切れたりするものは、「覆輪くずれ」と呼ばれます。

その他の画像

1.キンモンの一種 2.ウキグモニシキ 3.オオジシ 4.オオツワブキ

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