ダイヤーズウッドラフ
- 科名
- アカネ科
- 学名
- Asperula tinctoria(ダイヤーズウッドラフ)
Galium odorata(スイートウッドラフ) - 別名
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- 原産地
- 南ヨーロッパ 北アフリカ アジア(日本含む)
- 大きさ
- 20cm-60cm(※種により異なる)
- 主な開花期
- 5月~6月
- 耐寒性
- つよい
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
スイートとダイヤーズの2種がありますが、単にウッドラフというとスイートの方を指します。ちなみにダイヤーズとは「染め物屋の」という意味で、根が(赤色の)染料になるところに由来します。スイートのほうは葉を乾燥させると甘い香りを放つので、そこから来ていると思われます。
スイートウッドラフはガリウム(ヤエムグラ)属、ダイヤーズウッドラフはアスペルラ(クルマバソウ)属の植物で、近縁ではありますが分類上はまったく別の植物です。ここでは主にスイートウッドラフ(以下、ウッドラフ)として説明します。
ウッドラフはヨーロッパ、北アフリカ、アジアなどに広く分布する、毎年花を咲かせる多年草です。日本でも北海道や本州の中部以北に野生のものが見られ、林の中のような湿り気のある明るい日陰に自生します。
茎は這うように伸び、車輪のように6~10枚の葉が茎を軸としてぐるりとつきます。その様子からクルマバソウ(車葉草)という別名があります。初夏に長さ1cm前後の小さな白い花を咲かせます。花はラッパ型で先端が4つに裂け、星形になります。ダイヤーズウッドラフは葉の付き方は同じですが幅が細く、花は3つに裂けます。
葉を乾燥させたものは桜餅のような甘い香りがし、ポプリやサシェ、ワインの香り付けに利用されます。また、生葉や花はサラダなどにされます。甘い香りの元はクマリンという成分です。ドイツでは広く親しまれているポピュラーな香料で「ヴァルトマイスター」と呼ばれます。香りを抽出したリキュールなどが市販され、お菓子をはじめ、ワインやビールなどにも入れられます。
同じ仲間(アカネ科ガリウム属)にヤエムグラやヨツバムグラがあります。これらは日本ならどこでも見られます。意図して栽培しているのではなく、勝手に生えてる俗に言う雑草です
育て方
- 明るい日陰で育てます
- 肥料はたくさん要りません
- 暑さがやや苦手
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 3月 / 9月~10月 |
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タネまき | 10月 |
肥料 | 5月~9月 |
日当たり・置き場所
一年を通して風通しの良い明るい日陰で育てます。強い直射日光に当てると葉が焼けて生育が衰えるので注意します。また、寒さには非常に強いですが暑さがやや苦手なので、夏は出来るだけ熱のたまらない、風通しの良い場所を選びます。地植えにする場合は、適度に湿り気があって木陰ができる樹木の下などが適しています。
ダイヤーズウッドラフはウッドラフに比べて日当たりの良い明るい場所を好みます。
水やり・肥料
適度な湿り気を好みます。鉢植えの場合、土の表面が乾きかけたらたっぷりと水を与えます。地植えは土の表面が白っぽく乾いていたら水を与えます。
肥料はさほどたくさん要りません。春~秋に月1回液体肥料を水やり代わりに与える程度で充分です。肥料が多いと逆効果で、葉が傷んだり株が枯れるので注意します(肥料焼け、といいます)。
かかりやすい病害虫
とくにありません。
植え替え・用土
植え替えの適期は春、もしくは秋です。
鉢植えのものは、鉢の底から根が伸び出てくるようなら一回り大きな鉢に植え替えるか株分けをします。地植えは特に植え替える必要ありません。
用土は水はけと水もちの良いものが適しています。赤玉土6:腐葉土4で混ぜた土など。
ふやし方
株分け、タネまきでふやすことができます。株分けは植え替え時に行います。タネまきは10月頃が適期です。
手入れ・利用
病害虫も少なく、性質も比較的丈夫です。栽培のポイントは夏の暑さを乗り切ることです。
生の若葉や花をサラダなど、乾燥させたものをポプリやサシェに利用します。乾燥させる場合は6月-8月に茎ごと刈り取り、風通しの良い日陰で逆さに吊して充分干してから利用します。
関連する植物
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アスペルラ・オリエンタリス
アカネ科 難易度★★★☆☆
耐寒性の一年草です。基本は秋にタネをまいて翌年の初夏に花を楽しみ、夏頃に枯れます。