ヤサシイエンゲイ

アブサンの原料として有名

ワームウッド

ワームウッド
科名:キク科
学名:Artemisia absinthium
別名:ニガヨモギ アブシント アルセム
原産地:ヨーロッパ アフリカ北部
草丈:60cm-1.2m
開花期:6月-8月

難易度バー バー バー バー バー (そだてやすい)
耐寒性バー バー バー バー バー (ふつう)
耐暑性バー バー バー バー バー (ふつう)

ワームウッドとは

ヨーロッパからシベリア南部、アフリカ北部にかけて広く分布する多年草で、草餅などで親しまれているヨモギの仲間です。大きくなると1mを越して株元の茎の表面が木のようになり、低木状になります。

葉には深い切れ込みがあり、表面に白くて細かい毛が生えて銀白色に見える姿が美しいです。夏に小さな黄色い花を下向きに咲かせます。

ワームウッドは風によって花粉が運ばれる「風媒花(ふうばいか)」で花粉がこぼれて風に乗って運ばれやすいように、花が下向きに咲いていると言われています。風媒花は虫を誘う必要がないので大きくて美しい花びらを持たないものが多いのですが、この植物もそんな感じがする地味な雰囲気の花です。

用途・由来

茎葉、花には独特の甘い香りと苦みがあり、ヨーロッパでは古くから駆虫剤や薬用に利用されてきました。また、かつてはアブサンやベルモットというお酒の風味付けに使われていました。日本には江戸末期~明治初頭に渡来して乾燥させた葉を駆虫剤などに利用してきました。

駆虫や毒消しに非常に優れた効果があるとされ、そこからworm(虫)wood(木)という名前が付いたといわれています。また、ワームウッドはハーブとして扱われる草の中でも非常に強い苦みを持っており、その苦みの理由は「エデンの園を追放された蛇が這った後から生じた草だから」という伝説があります。「ワームウッド=苦い」という意味の比喩としても用いられ、シェークスピア「ハムレット」にも登場します 。

属名のアルテミシアはギリシア神話の「アルテミス」、もしくはカリア王妃の「アルテミシア」に由来するとされます。種小名のアブシンツイムはニガヨモギの意味。

育て方

栽培カレンダー

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花・収穫
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タネまき
    バー            

日当たり・置き場所
丈夫な植物で日当たりが良ければ特に場所を選ばずに育ちます。

水やり・肥料
窒素分の多い肥料を与えると茎葉はよく茂りますが芳香が弱くなります。防虫で利用する場合、香りの強いものの方が効果が高いようなので、窒素分の肥料は控えめにした方がよいでしょう。

かかりやすい病気・害虫
特にありません。むしろ虫を寄せ付けない効果が高いようです。

ふやし方
タネまき、さし芽、株分けでふやすことができます。
タネを自分で採取する場合は9月頃にタネが熟したら花茎ごと刈り取って乾燥させた後、タネを採ります。まき時は4月です。

手入れ
株がよく茂ると風通しが悪くなって株が蒸れて葉が枯れることがあります。梅雨など長雨の時期はを刈り込んで風通しを良くします。刈り取った茎葉はもったいないので他の植物の株元などに敷いておくのも良いでしょう(防虫効果が期待できます)。

収穫・利用
収穫は開花直前まで可能で、茎をばっさりと刈り取って乾燥させます。乾燥させた葉は布などで包み、衣類などの防虫剤として用います。

銀白色の葉が美しいので花壇のアクセントとして楽しんでも良いでしょう。

ポイント
・日当たりのよい場所でそだてる
・チッソ分の肥料は控えめに
・タネまきは4月頃

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