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土のコツ3 よい土の条件(1)2006. 4.14

■よい土とは?
よい土と一言にいってもいったいなにが基準でどういった意味で「よい」のでしょうか「よい土」とは「水はけ、通気性がよいこと」・「水持ち、肥持ちがよいこと」・の2大条件があげられます。水持ちがよくて、水はけがよいなんて、一見矛盾しているようですが、団粒構造(だんりゅうこうぞう)というその条件を満たした構造の土があります。今回は少し難しい話です

■水はけ・通気性がよいこと
たとえば水はけが余りよくない粘土状の土などに植物を植えたとします。そうすると水を与えてもなかなか乾かずに、根が呼吸できない状態になります。根が呼吸できないと、人間でいうトコの「窒息」状態に陥ります。根が腐ってしまい植物がだめになってしまいます。土の間のすきまにある空気から根は呼吸しています。そういうわけで、水をやってもずっと水がたまらずに下に水がすっと流れるくらいの状態が植物にとってはベストです。

■水もち・肥料もちがよいこと
かといって水が全部流れ出てしまっては、何のために植物に水を与えたのかわかりません。土の中に水が残って植物がそれを吸収できるようにしなければなりません。あまり水持ちがよくないと、植物が根から十分に水分を吸収する前に、蒸発してしまい植物が十分育ちません。ですから水持ちがよいことも大切です。当然肥料にも同じことがいえて、しっかりと肥料の成分を土の中にとどめておかないと植物に肥料の栄養分がじゅうぶんに行き渡りません。

■それでは、どういう理屈なのか
小さな小さな土の粒子が集まって2〜10mmくらいの団子になります。この団子が「団粒」です。この団子がたくさん集まって「土」になります。当然実際では図のようにこんなにでかくありません。あくまで図はわかりやすく書いた模式図です。「土に見えない」とかいわないで…。赤玉土(土のコツ第1回参照)などを実際手に取っていただければよくわかります。土の粒が大きいと赤く示したとおり大きな「すきま」ができます

さらに拡大してみましょう。団子状になっているので、たくさん集まると、間にはすきまができます。団粒構造ではとくに大きな「すきま」ができます。このすきまがあるおかげで水をやっても水の通りがよく、「すきま」があるおかげで植物の根はそこから呼吸ができるのです。水を与えたとき、この「すきま」にも水が入ってきますがやがて乾いて空気で満たされます。その結果、水持ちがよく、すきまのおかげで水はけがよい理想的な土ができあがるのです

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