嵐が丘

エリカとは

ツツジ科 「え」からはじまる植物 花木・庭木・果樹

エリカ
この植物の育て方
科名
ツツジ科
学名
Erica
別名
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原産地
アフリカ ヨーロッパ
大きさ
高さ30cm~3m
開花期
種により異なる
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

アフリカ、ヨーロッパに600種以上が分布する常緑性の樹木です。分布する範囲は広いですが、9割近い種が南アフリカに集中しています。英語ではヒース、ドイツ語ではハイデと呼ばれます。日本では学名エリーカから、エリカと呼ばれることが多いです。園芸では性質などの違いで南アフリカ原産種とヨーロッパ原産種にざっくり分けられます。

葉は短い針型や線形で、枝にびっしりと付く姿は、枝に葉が生えているといった感じです。花はタマゴ型や壺状の小さな粒々のもの、紡錘形などがあります。

名前の由来

名前はギリシア語のエイレケー(砕く)に由来するとされます。エリカが体内の胆石をとる(砕く)薬効があるされていたため、そんな名前が付いたとされます。

ヨーロッパ原産種

〔〕内は学名、E.はEricaの略

花は小ぶりで、色は白、ピンク、紫などがあります。ヨーロッパでは庭園に欠かせない樹木の一つで、エリカや近縁種のカルーナの様々な品種を組み合わせて、季節ごとの変化が楽しめるヒース・ガーデンはポピュラーです。日本では札幌市の百合が原公園にヒース・ガーデンが設けられています。開花時が種によって大きく異なり、様々な品種をそろえると一年を通してほぼ途切れなく花を見ることが出来ます。また季節によって葉色が変化するものもあります。多くの園芸品種がありますが、高温多湿が苦手で、日本では庭木としてあまり栽培されていません。逆に耐寒性は強く、-15℃~-20℃まで耐えます。以下のような種があります。

アルボレア〔E. arborea〕

エイジュとも呼ばれます。ヨーロッパ南部~小アジアを経て、中部アフリカまで分布します。エリカの中では大型種で野生のものは樹高6mに達します(庭園では3m前後におさめます)。白色で長さ3mmほどのタマゴ型の花が小枝にびっしり付きます。主な開花期は春です。材は緻密で硬く、ブライヤーと呼ばれ、高級なパイプや万年筆の軸に用いられます。切り花にも利用されます。

エリゲナ〔E. erigena〕

エイカンとも呼ばれます。アイルランド、南西ヨーロッパに分布します。樹高2m~3m、主な開花期は早春で5mm前後の壺形をした花を咲かせます。花色は紅色がさしたピンク、園芸品種に白や明るいピンクがあります。切り花にも利用されます。

ヴァガンス〔E. vagans〕

樹高50cm前後、枝は低い位置でクッション状に茂ります。開花期は夏の終わりから秋、花はタマゴ型で長さ4mmほど、色はピンクです。

キネレア〔E. cinerea〕

西ヨーロッパ原産、樹高30cm前後の低木です。細かく枝分かれしてよく茂ります。主な開花期は春、形はタマゴ型で色はピンクがかった紫です。園芸品種が豊富で、花色が白やピンク、藤色のもの、冬に葉が黄色く紅葉するものなどがあります。


アフリカ原産種

非常に様々な種があり、花色や花姿など非常にバラエティーに富んだ野生種が揃います。それゆえか、改良された園芸品種は少ないです。日本でも一部品種が庭木や鉢花として定着しています。鉢花として出回るのは、日本の気候にも比較的あう、冬咲き種が大半を占めます。ヨーロッパ原産種に比べると耐寒性はやや劣りますが、それでも種によっては-8℃くらいまで耐えます。

ジャノメエリカ〔E. canaliculata〕

日本でも庭木として定着している種です。樹高は2mほどの低木になります。主な開花期は晩秋~春、満開時は枝が花にびっしり覆われます。花は4mmほどの壺形で、色はピンクです。黒い葯がを花の中からのぞかせる姿がから蛇の目の名前があります。現在広く普及しているのは濃いピンク色の園芸品種レッド・クイーンです。

クリスマス・パレード

鉢花として定着している園芸品種です。ヒエマリス〔E. ×hyemalis〕という雑種の一系統だと考えられていますが、詳細は不明です。ピンク色の筒状の花を咲かせます。

ケリントイデス〔E. cerinthoides〕

樹高90cmほどの低木です。丈が低いうちから花を咲かせるので鉢花としても利用されます。枝の先端に長さ長さ2~3cmでやや紡錘形をした筒状の花を房状に咲かせます。花色はサーモンピンクや濃いオレンジです。ファイヤー・ヒースとも呼ばれますが、これは花色ではなく、山火事のあとによく花を咲かせるからだそうです。

バウエラ〔E. bauera〕

樹高1m、花は紡錘形をした筒状で長さ2cm前後です。花色はピンクで、ブライダル・ヒースとも呼ばれます。

フォルモサ〔E. formosa〕

白い小さな壺形の花がたくさん咲きます。その姿からスズランエリカとも呼ばれます。

グラキリス〔E. gracilis〕

樹高50cmほどで、ピンク、紅、白などの花を枝いっぱいに咲かせます。暑さに弱いのがネックです。

パターソニア〔E. patarsonia〕

樹高90cm、光沢のある黄色い筒状の花を咲かせます。

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