エンジェルストランペット(ブルグマンシア)の育て方

ラッパ型の花を咲かせる

ナス科 「え」からはじまる植物 花木・庭木

エンジェルストランペット
この植物の解説

育て方はこのページの下

科名
ナス科
学名
Brugmansia
用途など
鉢植え 露地植え
開花期
6月~11月
大きさ
3m~10m
耐寒性
ややよわい
難易度
★★★☆☆(ふつう)

育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え付け 4月下~5月
仕立て直し 花後
肥料 4月~11月上

日常の手入れ

芽かき

地際から出てくる芽は全体の樹形を崩すので、上の方の茎葉がよく茂っている場合は、大きくなる前に付け根から切り取ります。

仕立て直し

枝が上に伸びて全体のバランスが悪くなったら、枝を短く切り戻して仕立て直します。作業は花が一通り咲き終わったタイミングで行います。種によって適期にずれがありますがおおよそ夏~秋になります。枝分かれして二股になっている箇所から20cmくらい上の部分でばっさりと切ります。

大きくなった株を室内に取り込む場合などは、枝をある程度切り詰めて小さくします。もともと芽吹きのよい樹木なので、多少短く切り詰めても枯れることはありません。要はバランスです。

枯れ枝の整理(3月~4月)

枯れた枝からは芽が吹かないので、生きている位置(枝に小さな芽が付いている位置)まで切り戻します。

支柱立て

苗を植え付けた直後は幹がまっすぐに伸びるよう、念のため支柱を添えます。

毒性

エンジェルストランペットはアルカロイドなどを含む有毒植物です。大人が普通に育てていれば特に問題はないように思いますが、子供の誤食などが考えられます。事例などは厚生労働省のウェブサイト「自然毒リスクプロファイル:高等植物:ブルグマンシア」に詳しいです。

日当たり・置き場所

日当たり

一年を通して日当たりの良い場所で育てますが、夏は日射しが強くて気温が高くなるようなら半日陰のできるだけ涼しい場所に置くか、遮光します。詳しくは以下を参照にしてください。

冬の管理

耐寒性の目安は0℃~-3℃です。寒いと落葉して枝が枯れますが、霜や凍結に気をつければ株自体は枯れることがなく、春に暖かくなると株元から芽を吹きます。ただし、冬に枝葉が枯れずに残っているほうが春に新芽が早めに出て大きく育てやすいので、可能なら軒下や室内など風や霜のよけられる場所に移動させて、できるだけ寒さから守ってあげましょう。枝葉を完全に枯らしてしまうと、どうしても新芽の出る時期が春遅くにずれ込んでしまいます。

霜や凍結の心配がない暖地では一年を通して屋外でもかまわず、地植えも可能です。 暖地以外での地植えは晩秋に掘りあげて鉢に移して寒さの避けられる場所に移動させるか、寒冷紗をかぶせて防寒します。

夏の管理

熱帯アメリカ原産の樹木ですが、暑さに弱いものも少なくありません。なぜなら、熱帯と言っても2000m~3000m級の高山に自生する種が多いからです。園芸品種もそれらの種が親となっていると、どうしても暑さが苦手になります。熱帯に分布というと暑い時期に元気なように思いますが、むしろ暑さで元気のなくなるケースが多いのがエンジェルストランペットです。

種により耐暑性に差はあり、しっかりと暑さに耐えるものもありますが、夏はできるだけ風通しのよい涼しい場所が適しています。日射しが強いようなら夏だけは日当たり~半日陰の場所に移動させます。

暑さに気をつけた方がよい種は、サングイネア、オーレア、アルボレア、それらを親としたカンディダなどの交配種や園芸品種です。種ごとの解説は「エンジェルストランペットとは」で軽く触れているので、そちらも参照にしてください。


水やりと肥料

水やり

春から秋の生育旺盛な時期はよく水を吸います。特に鉢植えは乾きやすいので土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与えましょう。枝葉が茂って大きくなるにつれて水をよりたくさんほしがり、夏以降は油断すると水切れさせてしまいがちです。水切れを起こすと、水分の余計な蒸発を防ぐために下の方の葉が落ちたり、花芽が大きくならずに枯れてしまうこともあります。

冬も茎葉が残っている場合(生育~半休眠)は、乾いたら水を与えるようにします。茎葉が枯れて休眠してしまった株は乾いたら土が軽く湿る程度のごく軽い水やりにとどめます。たくさん与えても水を吸わずに根が傷むので気をつけます。

肥料

肥料は春から秋の生育期に途切れさせずに与えます。エンジェルストランペットは比較的短期間で大きく生長するので、肥料は切らさないことが大切です。大きく丈夫に育てて、たくさんの花を楽しみましょう。

春に芽が出てきた頃をスタートとして、秋に花が咲き終わるまで、月1回のペースで固形油かすなどを与えます。穏やかにゆっくりと効く持続性の高い肥料がよく、さらに扱いやすいので固形油かすを挙げていますが、同じ性質のもの(緩効性肥料)なら他でもかまいません。

基本的に冬は肥料を与えませんが、新しい葉が出てくるようなら生長しているので薄めの液体肥料をときどき与えます。

適した土

水はけのよい肥沃な土が適しています。鉢植えは赤玉土をベースとして、ピートモスや腐葉土などを多めに入れ、通気性をよくするためにパーラーイトや軽石を混ぜます。地植えは水はけのよい場所を選んで堆肥を混ぜ込んでおきます。

植え替え・植え付け

植え付け・植え替えの適期は4月から5月で、気温が上がってから行ったほうがよいです。

ふやし方

さし木とタネまき、とり木で増やすことができます。

とり木

さし木の適期は5月~7月です。枝を3~4節の長さに切ってさし穂とし、大きな葉っぱは半分ほどに切って水分の蒸発を最小限に抑えます。葉っぱが付いていない途中の茎も挿しておくと節から芽を吹きます。途中の茎はぽんと置いておくと、いざ挿すときに上下がわからなくなることがあるので気をつけましょう。用土を入れた鉢に3~4本まとめて挿して、乾かさないように半日陰で管理すると早いものでは1ヶ月くらいで根が出ます。根が出たもの葉1本ずつ鉢に植え替えて育てます。

挿し穂

とり木

とり木の適期は5月~9月です。この3種のふやし方の中では最も大きな苗が作れます。表皮をぐるりと剥いで、湿らせた水ゴケを巻き付け、ビニールで来るんで乾かないようにしてひもで縛ります。1ヶ月くらいで根が出てくるので、すぐ下の位置で切り離してビニールを剥いで植え付けます。水ゴケは取り除こうとすると根が折れることがあるので付けたままにしておきます。

とり木

タネまき

タネまきの適期は5月~7月です。花後にできた果実が茶色く枯れたようになったら採取してよく乾かし、まき時まで保管しておきます。用土を入れた鉢に採りだしたタネをまいて、タネが隠れる程度の土をかぶせます。乾かさないように管理すると10日ほどで発芽がはじまります。本葉が出てくることに、小鉢に1本ずつ植え替えて育苗します。

かかりやすい病害虫

ヨトウムシなどによる葉っぱの食害とハダニの被害が見られます。

ハダニは気温が高い時期に乾燥させると発生しやすい害虫です。主に葉っぱについて級汁し、植物を弱らせます。大量発生するとやっかいなので、早めに駆除します。水切れなどに注意して乾燥した状況を作らないようにすることが一番の予防になります。

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