ヤサシイエンゲイ

春咲き定番球根の一つ

ヒアシンス

ヒヤシンス
科名:ユリ(キジカクシ)科
学名:Hyacinthus orientalis
原産地:ギリシア~シリア トルコ
草丈:20cm-50cm
開花期:2月~4月
栽培難易度:バー バー バー バー バー
(そだてやすい)

くわしい育て方

ヒヤシンスとは

球根日本でも広くなじみのある秋植え春咲き球根です。水栽培でよく知られる他、鉢植えや花壇にも利用されます。群植すると花どきは非常に豪華です。

地際からやや肉厚で幅のある葉っぱを放射状に広げ、春になると中心から太い花茎を伸ばして花を穂状に咲かせます。花色は白、ピンク、黄色、紫、青、赤などで強い芳香があります。球根はタマネギのように鱗片が層状になった鱗茎です。球根は花後もしぼまず残って年々肥大し、あまり子球はつくりません(ローマン系はよく増えます)。

ヒヤシンスの名前はギリシア神話に出てくるヒアキントゥス王子の名に由来するとされます。

野生種と園芸品種

野生種、オリエンタリス
ヒヤシンスの仲間は3種の野生種が知られています。その中でも栽培されているのはオリエンタリス種から改良された園芸品種です。オリエンタリス種はトルコ、レバノン、シリアなど地中海沿岸に自生します。花色は青で、芳香があり、1本の花茎から数輪の花が咲きます。花茎の上から下までびっしり密に花が咲く園芸品種に比べると、別物のような雰囲気があります。

2つの園芸系統
オランダで品種改良されたダッチ・ヒヤシンスとフランスで品種改良されたローマン・ヒヤシンスの2系統があります。

ダッチ系は花がびっしりと付きボリュームがありゴージャスな雰囲気があります。ローマン系は花付きはまばらで草丈は小さいですが、そこだけ見てローマン系が劣っていると思うのは早計で、可愛らしく野趣があり、なにより丈夫です。

一般的に知られるのはダッチ系
ヒヤシンスの名前で広く知られるのはダッチ系です。500年以上の栽培の歴史があり、かつては2000を超える膨大な品種があったと言われていますが、現在一般に栽培されているのは40種~50種です。八重咲きや大輪種などはありますが、ヒヤシンスは往々にして品種ごとの変化が少なく、似通った品種が淘汰されたのではないかと思います。

現在広く栽培さている品種は19世紀に育種されたものが多くを占め、代表的な品種に「カーネギー(白花)」「シティ・オブ・ハーレム(黄花)」「デルフト・ブルー(青花)」などがあります。 ホームセンターなどに並ぶのもこれらの品種のことが多いです。

日本へは江戸時代末

地中海沿岸原産で、16世紀中期にイタリア経由でヨーロッパにもたらされました。日本に入ってきたのは安政~文久年間(1854~1863)とされており、当時は「ヒヤシント」と呼ばれ、特に黄花種は黄水仙とも言われたようです。明治時代には「飛信子(ひやしんす)」「風信子(はやしんす)」などの字が当てられ、現在でも残っています。一般に広まったのは大正時代中期以降です。

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