日本(関東より西)、台湾など比較的温暖な地域に分布する常緑性の樹木で、日本では古くから親しまれています。節分にイワシの頭をヒイラギの木の枝に刺して玄関に飾って魔除けとする風習は現在でも一般的です。 葉は縁にトゲ状のぎざぎざがあり厚めで革質、濃緑色で表面にはツヤツヤとした光沢があります。このさわると痛いほどのとげが特徴的といえますが、老木になるとトゲのないのっぺりとした葉が出てきます。10月〜11月になると小さな白い花を葉の付け根に、枝を隠すような感じでかたまって咲かせます。花の咲いた感じは(花色は違いますが)なんとなくキンモクセイに似ています。花の一つ一つは小さいですがかたまって咲くので見栄えがし、樹が大きくなるにつれてたくさん咲くようになるので芳香もいっそう楽しめるようになります。この『柊の花』は冬の季語になっています。 名前の由来は葉の縁のトゲ状のぎざぎざに触れると痛いので、古語で「ずきずき痛む、うずく」と言う意味の「ひいらぐ」→木なので「ひいらぐ木」、それが転じて「ヒイラギ」となったようです。漢字では「柊」と書くのが一般的ですが、痛む・うずくと言う意味の「疼」の字を当てた「疼木」でも「ヒイラギ」と読みます。 生垣や庭木として広く利用されますが、魔除けとして鬼門の方向に植えたり縁起木として玄関脇に植えることもあるそうです(現代でもその目的で植えられているかはよく知りませんが)。 葉に白い斑のはいるフイリヒイラギ、黄色い縁取りが入るキフクリンヒイラギなどがあります。また、シナヒイラギ、セイヨウヒイラギはヒイラギとは別種でモチノキ科の植物です。
■適した場所 日当たりと水はけがよく、適度に湿り気があり、腐葉土などの腐植質がたっぷり入った土壌を好みます。日当たりが良くても土壌がひどく乾燥する場所では生長が悪く枝が枯れてしまうことがあります。また、比較的温暖な気候を好み寒さに弱いので寒風のあたる場所は避けます。 耐陰性もあるので日当たりの悪い場所でも育ちます。 ■基本の剪定(枝の切り戻し、刈り込み) 放任でもある程度自然に樹形がまとまります。自然樹形のまま育てる場合は樹形の輪郭からはみ出た枝を切り戻す程度で充分です。適期は一旦枝の生長が止まる(一次生長が止まる)6月下旬から7月です。夏が過ぎる頃に夏芽が伸びて(二次生長)樹形を乱しますので樹形の輪郭より少し深い位置で枝を切り戻しておくのがコツです。 芽吹きがよいので生垣にしたり目的や用途に応じていろいろな形に仕立てることができます。6月下旬〜7月に刈り込み、夏芽の生長が止まる10月頃にもう一度全体を軽く整える程度に刈り込みます。 ヒイラギは太い枝を切っても芽が出やすいので全体の樹形が乱れた場合は太い枝を切り詰めてもかまいません。 ■生垣の場合 生垣仕立てにする場合、刈り込みをさぼると下の方の枝が枯れて非常に見苦しくなります。刈り込んで枝葉をしっかりと出させて姿を保つようにしましょう。 ■肥料 やせ地でなければ別に与えなくてもよく育ちます。肥料を与える場合は生育を見ながら2月と8月に油かすに骨粉を混ぜたものを株元に2握りほど施します。腐植質に富んだ肥えた土を好みますので肥料の代わりに株周りに溝を掘って堆肥や腐葉土を埋めると土壌の湿度も適度に保たれ生育によい効果を与えます。 ■植え付け 寒さに弱いので植え付けは気温が十分に上がる4月下旬〜5月に行います。植え付ける場所には堆肥をたっぷりと混ぜ込んでおきます。 ■病害虫 カイガラムシが発生することがあるので、見つけ次第早めに駆除します。数が少なければ古歯ブラシなどでこそぎ落とす物理的な方法が確実です。 ■ふやし方 タネまきとさし木でふやすことができます。 秋に花が咲いて、翌年の5月頃に果実が黒紫色に熟します。タネまきはこの熟した果実から10月頃にタネを採りだして用土を入れた鉢や箱にすぐにまきます。発芽1年目のは非常に生長がゆっくりで2年目からよく生長します。タネまき後2〜3年はそのまま(タネをまいた場所から植え替えず)苗作りをして植え付けます。 挿し木は春に伸びた若い枝を6月下旬〜7月に切り取って用土に挿します。
’ヒ’からはじまる植物 モクセイ科 花木・庭木 |
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