カーネーションの育て方

高温多湿によわい

ナデシコ科 「か」からはじまる植物

カーネーション
この植物の解説

育て方はこのページの下

科名
ナデシコ科
学名
Dianthus caryophyllus
用途など
鉢植え
開花期
4月~7月 / 9月~10月
大きさ
15cm~1.2m
耐寒性
ややよわい
難易度
★★★★☆(ややむずかしい)

育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え替え 9月下~10月上
切り戻し 5月下~6月上 / 10月
肥料 3月~6月 / 9月~10月

日常の手入れ

花がら摘みと切り戻し

若いときは幹が軟らかく曲がりやすいので、しっかりと支柱を立ててまっすぐに伸びるようにします。曲がったまま放っておくとそのまま幹が固まって姿勢の悪い樹形になってしまうことがあります。

一通り花が咲き終わったら茎を半分くらいに切り戻し、さらに混み合った部分は根元から切り落として風通しをよくしましょう。切り戻しの適期は梅雨前と秋です。

摘芯

また、苗を育てている場合は茎が長く立ってきたら、株元から5~6節の場所で先端の芽を摘みます(この作業を摘心、と言います)。そうすることでわきから芽が出てきて枝数が多くなり、結果として花付きが良くなります。茎が長く伸びる品種の場合早めに支柱を立てましょう。花の重みで茎が曲がることがあります。

日当たり・置き場所

できるだけ良く日に当てて育てます。満開の鉢植えをもらったのであれば、室内の明るい場所で充分楽しめます。まだつぼみがたくさんある場合、日に当てないとつぼみが開かず枯れてしまうことがあります。苗から育てる場合も、日によく当てるとつぼみもたくさんできます。

日照不足になると葉も黄色くなり、よく育ちません。ただ、高温多湿に弱いので夏は直射日光を避けて半日陰で風通しのよい、できるだけ涼しい場所に置きます。屋外の木陰などにおいてもよいでしょう。しかし、花は水に弱いので開花中の株は雨に当てないよう、ベランダなどで育てた方が無難です。ちなみに気温が25℃を超すと花付きが悪くなり、夏はたいがい咲き止みます。

寒さにすこし弱いので、冬は室内の日当たりや寒風の避けられるベランダなどに置きます。四季咲き性の物は10℃以上の気温があれば冬でも開花することがあります。 

ネックは夏の暑さ

カーネーションは高温多湿に弱く30℃を超すと花付きだけでなく生育も全体的に悪くなります。耐暑性のある品種もありますが、基本的な暑さに弱いという性質は変わりませんので、できるだけ涼しく過ごさせる必要があり、夏の適切な管理は育てる上での重量なポイントとなります

水やりと肥料

多湿にすると根腐れしやすいので、土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えるようにしましょう。

つぼみや花は水に弱く、ぬれた箇所からカビが発生することがあるので、開花中の株は花やつぼみに直接水がかからないように株元からそっと水やりをします。

生育期間中は1ヶ月に1回程度化成肥料を与えます。液体肥料を使う場合は1週間に1回を目安にします。特に開花期間を中心とした1ヶ月は花付きを良くするためにカリウムやリン酸の多く含んだ肥料が適しています。真夏は暑さで生育が弱るので与えません。冬も同様に肥料は与えません。


適した土

水はけと通気性の良い土が適しています。赤玉土(小~中粒)5:ピートモス3:バーミキュライト2の割合で混ぜた土を使います。

植え替え・植え付け

根がいっぱいになったら一回り大きな鉢に植え替えます。適期は秋です。

ふやし方

さし芽、タネまきでふやすことができます。

さし芽は4~6月、9~10月が適期です。茎の節からでてくるわき芽を使うのが一般的です。5~6cm程度の長さに育ったわき芽を付け根からかき取って、下の方の葉を取り除いてから川砂とバーミキュライトを混ぜた土に挿します。わき芽はナイフやハサミを使うより手で摘み取るほうが、病気にかかる心配がありません。

根が出るまで水分が蒸発しないように半日陰の場所で管理し、育ってきたら鉢に植え付けます。春にさし芽した苗は翌年の春から、秋に行ったものは翌年の秋から花を楽しめます。夏越しに不安が有れば春にさし芽を行って苗を作っておくと良いでしょう。成株より苗の方が夏越しはしやすいです。

実生系のものはタネから育てることができます。タネまきの適期は9月下旬頃で、発芽して育って本葉が4枚になった頃を目安に、一本ずつポットに植え替えて寒さが来るまでにできるだけ根を張らせます。冬も月2回程度肥料を与えて春になったら鉢に植え付けます。

栄養系と実生系

栄養系(えいようけい)とは主にさし木・さし芽株分けなど、植物の体の一部から増える植物のことで、実生系(みしょうけい)とは主にタネから増える植物のことです。育てる上で大きな違いはありませんがふやしたい場合に方法が異なります。

刃物の消毒

植物を切ったときにでる汁を付けたままハサミやナイフを乾かしてしまうと、次になにかを切ったときに(植物の汁に病原菌が含まれていた場合)ハサミやナイフを媒介として切り口から病原菌が伝染することがあります。使用したあとは良く水で汁を洗い流して、使うときはライターなどで刃先をあぶって熱消毒します。

かかりやすい病害虫

病気:灰色カビ病 害虫:アブラムシ

咲き終わった花をそのままにしておくと灰色カビ病が発生することがあります。この病気は特に梅雨時期などの湿度の高い時期に発生しやすく、ほおっておいて繁殖させてしまうと元気な茎葉にも移り株全体を枯らしてしまいますので花がらは早めに摘むようにしましょう。また、春先にアブラムシが発生しますので、見つけ次第早めに駆除します。

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