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セントポーリア

セントポーリア
科名:イワタバコ科
学名:Saintpaulia
別名:アフリカスミレ
原産地:東アフリカ
草丈:10cm~20cm
主な開花期:周年(一年を通して)
栽培難易度:バー バー バー バー バー
(ふつう)

くわしい育て方

〔〕内は学名、S.はSaintpauliaの略

セントポーリアとは

東アフリカのごく限られた地域におよそ24種が分布します。姿は種によって異なり、茎がほとんど伸びずに葉を放射状に伸ばす「ロゼットタイプ」と茎が這うように伸びていく「トレイルタイプ」に大きく分けられます。

葉は円形や楕円形で肉厚、長い軸をもち、表面には毛が生えます。葉色は濃緑色~明緑色です。葉の付け根から花茎を伸ばして、その先端に1~数輪の花を咲かせます。花びらは5枚(付け根でくっついているので、正確には大きく5つに裂けている)で中心に鮮やかな黄色い葯が2コつきます。花色は淡青紫~濃青紫です(園芸品種については後述)。

耐寒性がなく栽培にあまり強い日射しを必要としないので、園芸では室内植物として扱われることが多いです。

歴史/由来

セントポーリアの発見は19世紀末で、ドイツ人のフォン・セントポールによるとされます。セントポールが採種したタネが、ドイツ樹木協会の会長であった父親を経由して、ヘレンハウゼン植物園長の手に渡りました。このタネから育った植物が新種と認められ、発見者にちなんでセントポーリア・イオナンタと名付けられました。さらにこの当時送られたタネの中に、イオナンタとは別種のタネが混ざってた事がわかり、後になってその別種にセントポーリア・コンフーサの名前が付けられました。

実はこれより数年前に採取された標本がイギリスにありますが、そのときは新種として認められなかったようです。

初めて園芸品種が作出されたのはドイツです。後にドイツからアメリカにタネが輸出され、彼の地で栽培・育種が始まりました。日本に入ってきたのは明治の終わり頃で、昭和27年頃に栽培が始まり、昭和40年頃から大量に生産され、広く普及するようになりました。

アメリカでは一般にアフリカン・バイオレットと呼ばれます。 花色や草姿がスミレを連想させるからこの名前があるのですが、スミレの仲間ではありません。日本では属名を英語読みした「セントポーリア」の名が広く使われています。アフリカスミレ(属)というちゃんとした和名もありますが、園芸ではあまり聞きません。

セントポーリアの種類

主な原種(園芸品種の元となった野生種)に以下のようなものがあります。

イオナンタ 〔S. ionantha〕
タンザニアの沿岸に分布します。最初に発見された種で、スタンダートタイプの園芸品種の親となりました。イオナンタは「紫色の花をもつ」の意味で、青紫色の花に由来します。

コンフーサ 〔S. confusa〕
2番目に発見された種で、最初に発見されたイオナンタの中に混ざっていたと言われています。それゆえ、コンフーサ(混同)の種小名が付けられました。イオナンタ同様、スタンダートタイプの園芸品種の親となり、この2種から多くの品種が生まれました。青紫色の花を咲かせます。

ニティダ〔S.nitida〕
タンザニアで発見されたトレイルタイプです。茎は直立せず、横に這うように伸びていきます。本種から園芸品種のトレイルが多く作られたと言われています。

ペンデュラ〔S. pendula〕
タンザニアの東ウサンバラ山地で発見されたトレイルタイプです。花は青紫色です。茎はよく枝分かれして茂ります。葉の付け根からひょろりと伸びた花茎の先端に1輪の花を咲かせます。

草姿による園芸品種の分類

園芸品種は膨大な数があって花色や花姿など多様で、一言で言い表すことはむずかしいです。全体・花・葉などの姿によって非常に細かく分類されています。まず、草姿で大きく「スタンダート」「ミニチュア」「トレイル」の3タイプに分けられます。 これに「斑入り(葉に模様が入る)」を加えることもあります。

スタンダート(ロゼット)
茎が極端に短く葉が放射状に伸びる最もポピュラーなタイプで、植物学上でロゼットタイプと呼ばれているもの。株の大きさ(直径)によってラージ、スターンダート、セミミニチュア、ミニチュアに分けられます。品種数ではトレイルより圧倒的に多く、名前の示すとおりスタンダートです。

ミニチュア
スタンダートの中でも株の大きさが15cm以下のものを指します。

トレイル
茎が長く伸びるタイプ。茎は直立するもの、這うように伸びるもの、ツルのようになるものなどがあり、草姿は多様性に富みます。さらに株の大きさによって、ミニチュア・トレイルとスタンダート・トレイルに分けられます。

これらとは別に営利栽培を目的として育種された、ラプソディー系、メロディー系、バレー系、オプティマラ系の各タイプがあります。 これらは植物特許の都合があるため、別枠として儲けられているのではないかと思います。

花や葉による園芸品種の分類

さらに、花や葉の姿で細かく分けられます。花の形や葉に特に変化がないものは「レギュラー」と呼ばれます。

花色(単色)
青/青紫/紫/緑/ピンク/白/赤/ローズ/ など(さらに、各色には濃淡の幅があります)

花色花色(複色)
エッジ(縁取りが入る)/ストライプ(筋状の線が入る)/スプラッシュ(斑点が入る)/マルチカラー(2色以上が混ざる) など

花の形
シングル(一重咲き)/セミダブル(半八重咲き)/ダブル(八重咲き)/ワスプ(花びらが反転する)/フリル(花びらの縁がフリル状になる)/ベル咲き(花が大きく開かず釣り鐘状になる) など

変わり葉葉姿による違い
プレーン(通常の葉)/ヴァリエガタ(斑入り)/ウェーブ(縁が波状になる)/ガール(葉の付け根に白い模様が入る)/ シュープリーム(葉の質が硬くて表面に生えた毛が目立つ)

これらの組み合わせて「スタンダート・青紫に白のエッジで一重 」「ミニチュア・ピンクの一重・ガール葉」などのように区別します。

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