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ポピュラーな洋ラン

シンビジウム

シンビジウム
科名:ラン科
学名:Cymbidium
略号:Cym.
原産地:東南アジア
草丈:60cm-1m(開花時)
開花期:12月~3月
栽培難易度:バー バー バー バー バー
(ふつう)

くわしい育て方

〔〕内は学名、Cym.はCymbidium」の略

シンビジウムとは 

シンビジウムの仲間は熱帯アジアを中心として、日本からオーストラリアまでの広い範囲におよそ60~70種が分布するランです。その中でも東南アジア、ヒマラヤに分布する花が大きくて美しい種および、それらを中心に交配で(掛け合わせて)つくられた交配種を、園芸では一般的に「シンビジウム」と呼び、洋ランのひとつに含めています。

日本や中国など東アジアに分布する一部の仲間は独自の進化を経て東洋ランとして愛好家に親しまれています。学名で言うとシンビジウムなのですが、これらは種ごとにシュンラン(春蘭)、カンラン(寒蘭)などの和名で呼ぶのが普通です。

日本や中国原産種と東南アジア原産種を掛け合わせた和洋折衷の中間的な交配種もたくさんありますが、それらは東洋ランではなく、小型種のシンビジウム(洋ラン)に位置づけられることが多いです。近年ではコンパクトで場所のとらない「テーブルシンビ」や「和蘭」の名前で小型種がよく出回っています。

トラキアナム洋ランの中ではコチョウランと並んでポピュラーなグループで、1960年代にメリクロン(生長点培養)技術が確立されると、同一の性質を持つ個体が大量に生産できるようになり、鉢花として親しまれるようになりました。主に冬から春に出回ります。シンビジウムの名前はギリシア語のキンベ(舟)とエイドス(形)の2語に由来し、花の一部がボートのような形になることにちなみます。

記録に残る上で、日本にはじめて入ってきたのはシンビジウム・トラキアナム〔Cym. tracyanum〕で、日本最古の洋ランとも言われているそうです。1859年、トーマス・グラバーにより上海経由で持ち込まれたとされます。当時あった株の子孫は「グラバーさん」の通称で残されています。

姿・生態

バルブ 花

樹木の上などに自生する「着生種」、地面に根を下ろす「地生種」、もしくは着生と地生両方の性質を持つ「半着生種」があります。洋ランのシンビジウムの親となっているのは着生種と半着生種が多いです。

葉っぱはやや細長く、しっかりした厚みがある革質で左右交互に出して茂ります。生長期も後半になると株元が球根のようにぷっくりふくらみます。この部分はバルブといい、一般的な植物の茎に当たる箇所です。バルブの株元からは新たな株となる新芽や花芽を出します。毎年新芽を出してバルブの株が増えていき、大きな株に成長していきます。

多くは春から秋に生長して、冬から春に開花します。株元から花茎を伸ばして、数輪から十数輪の花を穂状に咲かせます。花色は、白、ピンク、緑、紅、赤、紫、オレンジ、黄などがあります。 花びらは基本6枚で中心にある唇弁(リップ)が特徴的な形でよく目立ちます。花もちが非常によく、長いものでは3ヶ月近く咲いています。

由来

シンビジウムは「舟(ボート)のような」と言う意味です。ずい柱の形が舟に似ているから、舟を砂浜に揚げたとき地面に残る筋模様が唇弁に付いている筋状の突起に似ているから、など諸説あります。

種類

原種(東南アジア原産、洋ラン扱い)

改良の元になった野生種を原種と言います。

エリスロスティルムエリスロスティルム〔Cym. erythrostylum〕
ベトナム原産の半着生種で、径10cmほどの白い花を咲かせます。種名は「蕊柱(-ずいちゅう- 雄しべと雌しべを合わせたような器官)が赤い」と言う意味です。早咲きで主な開花期は秋から冬です。

インシグネ〔Cym. insigne〕
ベトナム、タイ、海南島などに分布する地生に近い半着生種です。花は淡いピンクで少し紫色がかかります。花茎を上に伸ばして10数輪の花を咲かせます。花の大きさは径8cm前後で、形も大きさも交雑種と遜色ない美しさがあります。種名は「抜群の」と言う意味です。主な開花期は冬から春です。

ロウイアナム〔Cym. lowianum〕
中国、タイ、ミャンマーにまたがるように分布します。多花性で1本の花茎から20輪ほどの花を咲かせます。花色は黄緑色で唇弁の先端に赤いV字模様が入るのが特長です。やや遅咲きで主な開花期は春から初夏です。

デボニアナム〔Cym. devonianum〕
インド北部~タイの高地に分布する着生種です。花茎は枝垂れて径3cm前後の花をたくさん咲かせます。花色は黄褐色に赤褐色の筋や斑点が入ります。主な開花期は初夏です。キャスケード・タイプと呼ばれる花茎が下垂する交配種の親として知られています。

原種(東アジア原産、東洋ラン扱い)

主として小型の交配種の親となっています。

フロリバンダム ゴエリンギィ

フロリバンダム〔Cym. floribundum〕
キンリョウヘン(金稜辺)の名前で親しまれています。中国、台湾などに分布、主な開花期は春~初夏です。花色は紫褐色で小輪、1本の茎に20輪程度咲きます。小型で耐寒性の強い品種を作るのに大きく貢献しました。

エンシフォリウム〔Cym. ensifolium〕
スルガラン(駿河蘭)の和名でよく知られます。日本、中国、台湾~東南アジアに広く分布します。花は白地で中輪、紅紫色の筋が入るものが多いです。1本の茎に5輪前後が咲きます。主な開花期は秋です。

ゴエリンギィ〔Cym. goeringii〕
シュンラン(春蘭)の名で通っており、日本や中国に分布します。日本では古典植物として非常によく知られる東洋ランです。普通、花茎の先端に1輪の花を咲かせます。

カンラン〔Cym. kanran〕
学名も和名もカンランで漢字では「寒蘭」の字を当てます。ほっそりとした花茎に、ほっそりとした花を数輪~十数輪咲かせます。古典植物として園芸では古い歴史のある東洋ランです。

交配種

花や株の大きさや草丈などにより大型種と中型種、小型種に分類されます。花茎が枝垂れる品種はキャスケード・タイプと呼ばれます。イギリスで作出されて1898年に開花したものが、シンビジウム交配種の第一号です。

大型種は径10cm以上の花を咲かせ、花茎が1mを越すものもあります。切り花として用いられる品種もあります。ボリュームとゴージャスさがウリです。

小型種はフロリバンダム(キンリョウヘン)など、日本、中国原産など東アジア原産種を親に持ち、寒さに強い強健種が多いです。「和蘭」や「テーブルシンビジウム」の名前で出回るのはこの系統です。芳香を放つ品種もたくさんあります。場所をあまりとらずに室内で楽しむことができます。

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