ウメモドキの育て方

美しい赤い実

モチノキ科 「う」からはじまる植物 花木・庭木・果樹

ウメモドキ
この植物の解説

育て方はこのページの下

科名
モチノキ科
学名
Ilex serrata
用途など
露地植え 鉢植え
開花期
5月~6月
大きさ
高さ2m~3m
耐寒性
つよいほう
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え付け 2月~3月
剪定 12月~3月
肥料 2月

日常の手入れ

雄木と雌木

雄と雌の木があり実が付くのは雌株のみです。雄株は花は付けますが実はなりません。販売されているものに雄株はほとんどないと思いますが聞くなりして確認しましょう。実付きの苗を買えば確実です。雌株一本で実を付けるので、雄株は必要はありません。

剪定の必要性

株元から数本の幹を出す「株立ち」が基本の自然樹形です。枝が乱れてバランスを崩すことも少ないので、剪定(枝を切る作業)はほとんど行う必要がなく、放任でもかまいません。鉢植えの単幹仕立て(幹を一本仕立てにする)は必要上剪定しますが、あれこれといじるとウメモドキの野趣のある姿が大きく損なわれるおそれがある(樹姿の好みなどは人それぞれですが)ので刈り込みなどはできれば避けたいです。

基本の剪定

冬の落葉時期に行います。この時期には花芽はまだないので、枝を選ばずに切ることができます。花芽は春に伸びた枝の葉の付け根あたりに付き、初夏に咲きます。

ほおっておいても自然に樹形がまとまります。特に木が若いうちは放任で枝を自由に伸ばしてあげた方がよいです。樹高が高くなったり、枝が混みあって重なる場合は枝を切ります。芽吹く力が強いので特に位置は考えず、好みの場所で切ってかまいません。また、木が成長して株元から出る幹の数が多くなった場合、古い幹を選んで株元から切り落としてもよいでしょう。

ただし、枝をばっさりと深く切ると間延びした勢いのある枝(徒長枝)が出やすくなります。徒長枝は実が付きにくいので発生を避けたいものです。剪定が浅いと実付きの良い短い枝が出やすくなります。

鉢植えの剪定

鉢植えも同様で、剪定をせず放任でかまいません。ただし、低い樹高でたくさんの実をならせたい場合は剪定が必要です。その場合も一度にばっさりと枝を切り戻す様なことはせずに伸びた枝の先端を5mmほど切る程度の軽い剪定を毎年繰り返します。一度にばっさりと枝を切る様なことを繰り返すと徒長枝が出やすく実付きが遅れます。

実止まりについて

春に新しい枝を伸ばして花を付け、花後に枝は生長が止まり秋に果実が熟します。しかし、中には花後も生長が止まらずに伸び続ける枝もあり、そのような枝は実ができても落ちやすい傾向があります(実どまりが悪い、といいます)。枝を伸ばすことと果実を太らせる作業を平行して行うことができずその結果、果実を落とすのですがこれは植物の生理現象で止めることはできません。花後に伸びた枝の先端を切って生長を無理に止める方法もありますが、ワキから新たな芽が吹いて伸びてくることも多いので、落果防止にはあまり意味がありません。木が大きくなって枝数も増えると自然と実付きがよくなりますので、何もしないのが一番よいのかもしれません。


日当たり・置き場所

日当たりのよい湿り気のある土壌でよく育ちます。日陰は実付きが悪くなるので避けます。

水やりと肥料

鉢植えは土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えます。地植えは特に水を与える必要はありませんが、根が非常に細かく乾きやすいので、周りの土がむき出しで株元まで日がしっかりと当たる場所では、夏に乾燥防止のためワラなどを敷きます。

肥沃な土壌なら肥料はほとんど必要ありませんが、やせ地では実付きに影響するので肥料を与えた方がよいでしょう。油かすと骨粉を半々に混ぜたものなどを2月頃に施します。窒素分の多い肥料は実付きが悪くなりますので気をつけましょう

適した土

やや湿り気のある土壌が適しています。さほど土質は選ばずによく育ちます。

植え替え・植え付け

植え付け、植え替えは落葉期に行います。植え付ける場所は湿り気のある土壌が適しており、あらかじめ腐葉土や堆肥などをたっぷりと混ぜ込んでおき、植え付け後は支柱としっかりと立てておきます。その後は極端な乾燥に気をつけ一定の湿り気が保てれば根付きが早く成長もよい。

ふやし方

接ぎ木、とり木、タネまきでふやします。

タネまきは秋に熟した果実を採り、果肉を取り除いて種子の状態にして乾かさない様に保存し、3月頃にまきます。タネから育てた2~3年の苗木は園芸品種を接ぎ木する際の台木としてよく利用されます。

かかりやすい病害虫

病気や害虫の被害はあまり見られませんがアメリカシロヒトリというガの幼虫が付くことがあります。非常に食欲旺盛で葉を食い荒らすので、見つけ次第駆除します。成虫は初夏と真夏に卵を産み付けるので、予防のために薬剤を散布しておいても良いでしょう。

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