アンドロサケ・スターダスト
- 科名
- サクラソウ科
- 学名
- Andorosace
- 別名
- アンドロサセ
- 原産地
- 北半球の山岳地帯
- 大きさ
- 5cm~30cm
- 主な開花期
- 3月~6月
- 耐寒性
- つよいほう:乾いた風に注意
- 難易度
- ★★★★★(むずかしい)
こんな植物です
アンドロサケ属(トチナイソウ属)は主に北半球の山岳地帯に自生する植物です。約100種類が知られており、日本にはその内2種(トチナイソウ、リュウキュウコザクラ)が自生します。多くの種が高山の岩の裂け目に張り付くように自生し、低い位置でクッションのように広がって茂ったり、群落を作ります。茎が非常に短く、葉は低い位置で地面に張り付くように茂る(根出葉-こんしゅつよう-)種が多いのも特長です。
毎年花を咲かせる多年性と、花が咲き終わると枯れてしまう1年性に大別されます。花は白やピンク色で主に春に咲かせますが開花期は種によってまちまちです。花茎の先端に1~10数輪の花を咲かせます。ロックガーデンに植えられたり、山野草として扱われることが多いです。ロックガーデンや鉢植えにして楽しみます。比較的強健な種もありますが、日本の気候にあわず往々にして栽培は難しいです。
名前の由来
アンドロサケはアンドロス(男)とサコス(円盾)の2語からなり、花と葯-やく-の形を古代ギリシアの円盾に見立てたのが名前由来です。
種類・仲間
〔〕内は学名。A.はAndrosacdの略。園芸品種もたくさんありますが、日本では普及していません。
サルメントサ〔A. sarmentosa〕
和名ツルハナガタ、ネパールから雲南にかけて分布する多年性タイプ。姿形がそっくりな種にプリムロイデス〔A. primuloides〕があり、混同されています。日本では広く栽培されており、桃色の花を咲かせます。
センペルビボイデス〔A. sempervivoides〕
カシミール地方に自生し、紅紫色の花を咲かせます。日本でも比較的普及しています。
ラヌギノサ〔A. lanuginosa〕
和名ギンハナガタ。カシミールから西ネパールにかけて分布する多年性タイプで岩場や岩礫斜面に自生します。ツヤのある毛で覆われた銀白色の葉が美しい。
カルネア〔A. carnea〕
アルプスからピレネー山脈に分布する多年性タイプで高さ10cm前後のカーペット状に広がります。ヨーロッパでは広く普及しており、いくつかの変種が知られます。花色は紅色や白など。
育て方
- 水はけのよい砂質土壌を好む
- 夏は暑さを避けた半日陰で
- 雨に当てない、冬の乾いた風に当てない
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 3月 |
---|---|
肥料 | 4月~6月 / 9月~10月 |
日当たり・置き場所
高山性の植物で冷涼な気候を好み暑さに弱いです。厳しい暑さには耐えられないため、夏越しが一番のポイントとなります。生育期の秋~春はしっかりと日に当て、夏は半日陰の場所で育てます。夏場は葉に水がかかると枯れやすいので気を付けましょう。一年を通して風通しのよい場所に置き、雨に当てないことも大切です。一年性のものは花後、夏前に枯れてしまいますので夏越しは関係ありません。耐寒性は強いですが、乾いた風は避けます。
水やり・肥料
春から秋の生育期は乾かさないように毎日水を与えます。多湿を嫌がるので、砂礫質で水はけのよい土を用いることが大切です。
肥料は普通の草花よりも薄めのものを与えます。冬・夏は生育が鈍るので肥料はいりません。
かかりやすい病害虫
とくにありません。
植え付けと用土
水がさーっと抜けるような水はけの良い土を好みます。川砂や石灰岩の粗砂、火山礫に腐葉土やピートモスを1割混ぜた土を使います。
ふやし方
タネまきでふやすことができます。タネは真冬にまいてたっぷり寒さにさらすと発芽しやすくなります。
ランナーが出るものは株分けでふやせます。ランナーに新芽が確認できたら、その部分を下半分が隠れるくらい土に埋めます。すると、根が出て来ますので親株から切り離して鉢に植え付けます。さし木でもふやせる種もあります。
手入れ
全般的に日本の気候では育てにくい植物です。暑さや多湿、冬の乾燥をいかにして避けるかが栽培のポイントで、色々と気は抜けません。挑戦してみるなら、サルメントサなど広く普及しており育てやすい種からはじめてみてはいかがでしょうか。
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カスミソウ(ジプソフィラ)
ナデシコ科 難易度★★★☆☆
白い花や咲き方が、何となく園芸品種のスターダストに似ている