- 科名
- ツツジ科
- 学名
- Pieris japonica
- 別名
- 馬酔木(漢字表記)
- 原産地
- 日本
- 大きさ
- 高さ1m~6m
- 開花期
- 2月~4月
- 難易度
- ★★★☆☆
こんな植物です
本州(東北より南)、四国、九州に分布する常緑性の低木・小高木です。樹高は通常3m程度に収まりますが、山地に自生している齢を経たものは6mもの高さ達することもあります。葉は濃いグリーンで光沢があり、春にスズランのようなつぼ形の花を房状にたくさん付け、満開時期は花穂が樹を覆うように咲き誇ります。新芽はやわらかな光沢のある赤色で、花と同じくらい美しいです。
庭木の他、生垣や盆栽、鉢植えにして楽しみます。万葉集にも10首が読まれており、古くから日本で親しまれている花木だと言うことがわかります。
基本種は白花ですが、園芸品種には赤花の「クリスマス・チア」やピンク花の「ダイセン(大山)」、オキナワアセビの交配種「スプリング・ベル」などがあります。また、葉に白い縁取りの入るフクリンアセビ、小型種のヒメアセビなどが知られています。
名前の由来
漢字で「馬酔木(あせび)」と書くのはアセボトキシンという有毒成分をもち、馬が食べると神経が麻痺し酔ったような状態になるところに由来します。具体的な中毒症状は、吐く、下痢、腸からの大量出血などが挙げられます。かつては葉を煮出して殺虫剤としても利用されていました。
属名のピエリスはギリシア神話に登場する9人の娘、ピエーリデスに由来します。
主な仲間
〔〕内は学名、P.はPierisの略。アセビの仲間は世界に約10種が分布しており、外国産種も数種が栽培されています。単にアセビというと日本原産のヤポニカ種を指します。
ヒマラヤアセビ〔P. formosa〕
東ヒマラヤ原産種、新芽が光沢のある濃赤に色づきます。アセビの仲間は往々にして新芽が美しいですが、その中でも特に鮮やかな色で目を惹きます。
アメリカアセビ〔P. floribunda〕
北アメリカ原産で樹高は低く、形は丸くまとまります。花色は白で、枝先からたくさんの花穂を出して固まって咲きます。
タイワンアセビ〔P. taiwanensis〕
台湾原産で、姿形はアセビに似ます。
オキナワアセビ〔P. japonica subs. koidzumiana〕
奄美諸島、沖縄原産で、アセビの変種です。花穂は垂れずに上向きに伸びます。リュウキュウアセビとも言います。
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ツツジ科 難易度★★★☆☆
スズランのような釣り鐘状の小さな花。刈り込みにも強いので生け垣にも利用される