アスナロの育て方

すくっと立った針葉樹

ヒノキ科 「あ」からはじまる植物 花木・庭木

アスナロ
科名
ヒノキ科
学名
Thujopsis dolabrata
別名
ヒバ アテ アスヒ
原産地
日本
大きさ
20m~30m
主な開花期
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耐寒性
つよい
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

本州-九州に分布する日本特産の針葉樹で生長すると高さ30m直径2mに達します。葉はウロコ状で表面は緑色で光沢があり、裏面は白っぽいです。3月頃に雄花と雌花を咲かせ、突起のある1.5cmほどの球状の実を付けます。樹皮は灰色がかった褐色で、縦方向に長く剥がれます。

用途・由来

材は耐久性が強いので建材などに利用されます。耐水性や防腐性も強く、まな板など水回りで使う道具には最適の材とされています。庭園に植栽されることもありますが、造園関連ではさほど用いられていません。

属名のツヨプシス(Thujopsis)は「トゥーヤ(Thuja)属に似ている」という意味で、その名の通りトゥーヤ属の植物(ネズコやニオイヒバ)に姿形が似ているところに由来します。

アスナロの語源は「明日はヒノキになろう」という言葉に由来すると言われています。この言葉は枕草子の一節から来ており「ヒノキに姿形が似ているが材がヒノキより劣る、明日はヒノキになってやろう」というような意味合いです。漢字で「翌檜」という字を当てて「アスナロ」と読むのも同じ理由と思われます。

地域によって、ヒバ、アテ、アスヒなどとも呼ばれます。

近い仲間

ヒノキ科アスナロ属はアスナロ1種のみで構成される1属1種の樹木です。

変種に北海道~関東北部に分布しするヒノキアスナロ、樹高が低く枝を密生させるヒメアスナロがあります。また、品種に黄色い葉のオウゴンヒメアスナロ(アスナロ・オーレア)、葉先が白くなるフイリアスナロなどが知られています。ヒメアスナロは半球状の樹形で高さも低いので生垣や土留めに利用されます。

ヒノキアスナロはアスナロよりも比較的造園に利用されます。また、俗に「青森ヒバ」と呼ばれ材を加工品したものが流通します。


育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え付け 3月~4月
刈り込み 6月中~7月中 / 11月中~12月中
肥料 2月

手入れ

寒冷地では自然に幹のすくっと立った円すい形の樹形にまとまりますが、平地や暖地では幹が立たずに低く茂ることも多いです。手入れは枝が混みあった箇所があれば、付け根から切り取り風通しを良くする程度で、剪定は基本的に不要です。

幹が立たない(立ちにくい)場合は丸く刈り込んで球状の形に仕立ててることが多いです。その場合は形が出来たら、年2回程度刈り込んで姿を整えます。

日当たり・置き場所

耐陰性が強く、半日陰の場所でよく育ちます。日当たりの強い場所や乾燥する場所ではやや育ちが悪いです。

水やり・肥料

湿潤な土壌を好みます。苗を植え付けてしばらくは根が乾燥しないようにたっぷりと水を与えましょう。根付いてしまうと特に水をやる必要はありません。

肥料は2月頃に油かすと化成肥料を混ぜたものを適量株元にばらまきます。土壌が肥沃な場所なら、肥料はほとんど与えなくても元気に育ちます。

かかりやすい病害虫

サビ病とハダニが見られます。サビ病は定期的に薬剤を散布して予防し、中間宿主となる樹木(ナシやボケ、カイドウなど)を近くに植えないよう気をつけます。ハダニは見つけ次第薬剤を散布して駆除します。

植え付けと用土

植え付けの適期は3月~4月です。肥沃な湿潤地を好むので植え付ける前に堆肥を多めに混ぜ込んで水もちのよい土にしておきます。

ふやし方

さし木でふやすことができます。適期は4月~9月、今年もしくは昨年伸びた枝の中で、しっかりしたものを選んで10cm程度の長さに切り、土に挿します。

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