アブラチャンの育て方

果皮や樹皮に油を多く含む

クスノキ科 「あ」からはじまる植物 花木・庭木

アブラチャン
科名
クスノキ科
学名
Lindera praecox
別名
油瀝青【漢字表記】
原産地
日本(本州 四国 九州)
大きさ
3m~5m
主な開花期
3月~4月
耐寒性
ふつう
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

本州、四国、九州の分布する落葉性の樹木で、山野でごく普通に見ることが出来ます。秋に葉が黄色に色づき、冬に落葉します。樹高は3m~5mになります。

葉は5cm前後のだ円形で厚みはやや薄く表面はなめらかで、裏面は白っぽくなります。花は3月-4月、淡い黄色の花が3~5コまとまって枝に密生します。また、雄花を咲かせる雄株と雌花を咲かせる雌株がある雌雄異株(しゆういしゅ)の樹木、雌花は緑色がかった黄色になります。花は小さいですがたくさん付き、芽吹き前に咲いて葉に隠されることもないので案外目立ちます。果実は直径1.5cm前後で秋になると黄褐色に熟します。1つの果実の中には1コのタネが入っています。樹皮は灰褐色です。

用途・由来

アブラチャンは漢字で「油瀝青」と書きます。「瀝青」はコールタールなどを指す単語で本来は「れきせい」と読みますが、別称で「チャン」とも言います。種皮や樹皮に油分が多く含まれるためこの名前があります。生木でも比較的燃えやすく、果実から絞った油は灯用にされていました。

その他の仲間

変種に葉裏に毛の生えるケアブラチャンがあります。また、近い仲間にシロモジやクロモジダンコウバイがあります。

育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

剪定 2月
植え付け 2月~3月

日常の手入れ

自然樹形は株元から幹を数本立ち上がらせる株立ちです。落葉期に混みあった枝や古くなった枝を、枝分かれしている箇所から切り落として枝の数を整理します。 自然樹形に近い方が美しいので、枝を中途から切り落としたり刈り込むようなことはせず、枝を切る作業は最低限にとどめます。


日当たり・置き場所

半日陰の場所が適します。

水やり・肥料

肥料は特に与えなくてもよく育ちます。肥沃な土を好むので、肥料代わりに年1回、腐葉土や堆肥を株元に敷いてあげてもよいでしょう。

かかりやすい病害虫

とくにありません。

植え付けと用土

植え付けは落葉期に行います。やや湿り気のある肥沃な土壌を好むので、植え付ける場所にはあらかじめ腐葉土や堆肥を多めに混ぜ込んでおきます。乾燥する場所を嫌います。

ふやし方

タネをまいてふやします。秋に熟した果実からタネを取り出してすぐにまくか、乾かさないように貯蔵して翌春3月頃にまきます。タネは乾かしてしまうと発芽率が落ちるので気をつけます。

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