- 科名
- シソ科
- 学名
- Phlomis fruticosa
- 別名
- フロミス・フルティコサ
- 原産地
- 地中海沿岸
- 大きさ
- 90cm~1.5m
- 主な開花期
- 5月~9月
- 耐寒性
- つよい
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
主に地中海沿岸東部に分布する常緑性の低木です。高さ1.5mになり、細かく枝分かれして横にもよく広がります。セージという名前が付いていますが、香辛料として利用されるセージとは別属で、仲間ではありません。セージはシソ科サルビア属、本種は同科フロミス属になります。葉の形や様子がセージに似ているのでこの名前があるのではないかと思います。特に葉の表面にはいる細かいシワは似ていると思います。
葉は表面に細かいシワが入ります。葉のフチや裏側は星状毛と呼ばれる白い毛が生え、葉の輪郭が銀白色に縁取られて見えます。主な開花期は初夏~夏です。葉の付け根、節の部分に鮮やかな黄色い花が茎を囲むように付きます。
利用
花は乾燥させてもその鮮やかさを失わないため、ドライフラワーやポプリなどクラフトに利用でき、その点ではハーブとしても扱われます。ヨーロッパでは花壇などによく利用される植物です。日本ではハーブ園や植物園でよく見かけますが、一般に植栽されているのはあまり見ません。
名前の由来
属名のフロミスはギリシア語のフェレーゴ(焼く)に由来するとか、プロミス(モウズイカという植物)に似ているからだとか、諸説あります。
その他の仲間
〔〕内は学名P.はPhlomisの略 。
エルサレムセージを含むフロミス属は地中海沿岸から中央アジアに約60種が分布する低木です。本種以外には紅色花のマキシモウイッチ(和名:オオキセワタ)〔P. maximowiczii〕やピンク花のツベロサ〔P. tuberosa〕が花壇など観賞用に栽培されています。
育て方
- 広がる場合は切り戻す
- じめじめした土壌では育たない
- 日当たりを好む
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 4月~6月 |
---|---|
タネまき | 4月下~6月上 / 9月下~10月上 |
さし木 | 6月~7月上 |
日常の手入れ
耐寒性も強く、あまり手間もかからないですが将来的には大きくなって場所をとります。最初に植える場所をよく考えましょう。スペースの関係上大きくできない場合はこまめに枝を切り戻すか、最初に植えるのをあきらめます。切り戻すことである程度ボリュームを抑えることができ、乱れがちな草姿も整います。
ドライフラワーにする場合、地際から10cmの高さでばっさり刈り込んで束にし、風通しのよい場所に吊して乾かします。葉や花は肉厚で乾きにくいので、束は小さめにして、充分にスペースを空けて干すのがコツです。
日当たり・置き場所
日当たりのよい乾燥気味の場所を好みます。暑さには強いですが、じとーっとした湿度高めの環境を嫌がるので風通しも大切です。茂りすぎて風通しが悪い場合は、適当に枝を間引くか刈り込みます。
耐寒性は強いほうでマイナス5℃程度まで耐えます。寒冷地では凍らせないように腐葉土などを敷いて防寒します。常緑性ですが、冬は葉が紅葉して落ちることも多いです。株が生きていれば春に芽吹いて生長します。
水やり・肥料
半乾燥地に自生する植物で、土がじめじめした環境では育ちにくいです。鉢植えは土の表面が乾いてから水を与えるようにします。露地植えは、根付いたあとは極端に乾燥する時をのぞき、特に水を与えなくても自然の雨だけで育ちます。
かかりやすい病害虫
とくにありません。
植え付けと用土
水はけのよい礫質の土壌を好みます。植え付けの適期は4月~6月です。
ふやし方
タネまき、さし木でふやすことができます。
タネまきの適期は4月下旬~6月上旬、9月下旬~10月上旬が適期です。春にまいた場合、翌年の初夏から花を咲かせます。さし木の適期は6月~7月上旬です。
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セージ
シソ科 難易度★★★☆☆
薬効が高く、用途の広いハーブ。葉の美しい観賞用の品種もあります。