かたまって付く赤い実が美しい
ビナンカズラ(サネカズラ)
科名:マツブサ科学名:Kadsura japonica別名:サネカズラ原産地:日本 朝鮮半島南部 中国 台湾つる長:3m-5m開花期:7月-8月 / 10月-12月難易度 (そだてやすい) |
ビナンカズラ(サネカズラ)とは
色づいた果実 雄花 |
日本の主に関東より西の地方、朝鮮半島南部、台湾、中国に分布する常緑のつる性樹木です。みどころは秋になると真っ赤に熟す果実です。形自体もおもしろく、たくさんの小さな果実がひとかたまりの球状になり、枝からぶら下がるように付きます。
開花期は夏で、花には雄花と雌花があります。雌花は粒々がたくさん集まって球形をなした特徴的な実を付けます。果実は熟すと光沢のある赤色になります。花色は淡いクリーム色でぱっと見は雄花も雌花もそっくりですが、開いた花の真ん中の色を見ると雄花と雌花の区別が簡単に付きます。雌花は中心に淡い緑色の雌しべが小球状に固まって付き、雄花は紅色の雄しべが小球状に固まって付きます。花は小さめで色も地味なので、葉に隠れて見落とすこともよくありますが、じっくり見るとかわいらしい花です。葉はやや肉厚で先のとがっただ円形、フチにごくゆるいギザギザが入ります。
つるがよく伸びるので、フェンスや垣根に絡ませて育てます。暖地性の樹木でやや寒さに弱く、寒冷地での植栽には不向きです。常緑樹ですが冬の寒さが厳しいと落葉します。
本種を含むサネカズラ属は以前モクレン科に分類されていましたが、現在はマツブサ科に属しています。
由来
枝をつぶすか樹皮を剥いで水に浸しておくとねばねばした液が出てきて昔それを整髪に用いたのでビナンカズラ(美男葛)の名前があります。ちなみに正式な和名(標準和名)はサネカズラ(実葛)です。これは特徴的な形の実から来ているのではないかと思います。
属名のカズラ(Kadsura)は日本語でつる植物を意味するカズラ(蔓)に由来します。果実が黄白色に熟すスイショウカズラや葉に斑のはいるニシキカズラなどの仲間が知られています。
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