ユニークな形のかんきつ類
ブッシュカン(仏手柑)
科名:ミカン科学名:Citrus medica var.sarcodactylis別名:原産地:インド樹高:1m-3m果実鑑賞:12月-2月難易度 (ふつう) |
ブッシュカン(仏手柑)とは
熟した果実 |
インド原産の柑橘類で、果実の先が細く分かれてまるで手の指のように見えるところからブッシュカン(仏手柑)名前があります。英名もその形から「フィンガード・シトロン」と呼ばれています。
日本へは沖縄を経由して江戸時代の前半に入ってきたようで、「農業全書(1697年刊)」にも図解入りで掲載されています。そのユニークな果実の形から観賞用として生け花、茶の席、正月飾りや盆栽としても珍重されています。
中は他の柑橘類でも見られる白いワタのようなものでいっぱいになっており、果肉は痕跡をとどめる程度でほとんどなく、しかも酸っぱいので生食には適しません。砂糖漬けにして食べたり、細かく刻んで乾燥させたものを薬用として利用できるようですが、日本では古くから鑑賞がメインのようです。熟した果実は皮がレモン色になりよい香りがします。
育て方
栽培カレンダー
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
果実鑑賞 |
摘芯・整枝 |
植え付け |
肥料 |
日当たり・置き場所
熱帯性果樹で寒さは苦手です。霜や寒風の心配のない一部暖地では露地でも栽培できますが、平地では屋外での越冬が困難なので基本的に鉢植えで育て、冬は室内で管理します。常緑樹ですが寒さでダメージを受けると落葉します。
水やり・肥料
高温多湿の環境を好み乾燥に弱い性質があります。用土を乾かし過ぎると発育が悪くなるので水切れには注意しましょう。
かかりやすい病気・害虫
かいよう病、カイガラムシに弱いです。かいよう病は強い風で葉や枝に傷が付くとそこから病原菌が侵入し、葉や果実に斑点のようなものができ、その部分がかさぶたのようになる病気です。有効な薬剤はありますが、被害を受けた葉は取り除き、強い風の吹く場所を避けるのが一番の予防策です。カイガラムシは見つけ次第薬剤を散布するか、歯ブラシのようなものでこすり落とします。
植え付け・用土
赤玉土に腐葉土を混ぜ込んで用土にします。鉢の底に大粒の軽石を底から1/4の深さのところまで入れ水はけをよくして苗を植え付けます。根が肥料に触れたときに傷んで腐ることがあるので、植え付ける際の用土に肥料は混ぜません。肥料は植え付け後充分に根づいてから行いましょう。
ふやし方
接ぎ木とさし木でふやすことができます。
さし木は、6~7月頃にその年の春に伸びた新しい枝を使います。さし穂は赤玉土などにさして、乾燥させないように日陰で管理します。接ぎ木は台木にカラタチを用います。
手入れ
枝の成長する力は強いのですが、枝分かれする力が弱い(幹からあまりたくさん枝を出さない)ので、摘心(芽の先端を切る)の位置が高いと切ったすぐ下あたりからは枝葉が出てくるが、幹の下の方からは枝葉が出ずアンバランスな樹形になってしまいます(言い方は悪いですが、頭でっかちな感じに)。苗から育てる場合、地際から10cm程度の高さの場所で摘心すると将来、幹の下のほうに枝の張ったバランスのよい安定した樹形になります。摘心や整枝の適期は2月~3月です。
果実の鑑賞
5~6月に花を咲かせるとその後果実ができて12月~翌2月に色づいて熟します。
ポイント
・用土を乾かしすぎない
・やや耐寒性が弱い
・カイガラムシ、かいよう病に注意
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