- 科名
- ミカン科
- 学名
- Poncirus trifoliata
- 別名
- キコク 枸橘 枳殻
- 原産地
- 中国
- 大きさ
- 高さ2m~3m
- 開花期
- 4月~5月(果熟期:10月~11月)
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
中国原産で冬に葉を落とす高さ2~3mの低木です。枝は濃緑色で角張っており、葉っぱはだ円形の小葉が3枚集まりひとつの葉を形成する三出複葉(さんしゅつふくよう:ミツバの葉のような感じ)です。葉の付け根には長さ5cm前後の扁平で鋭いトゲが生えています。4月~5月、葉が出る直前~同時くらいに5枚の花びらをもった白花をトゲの付け根に1輪ずつ咲かせます。
花後はゴルフボールより一回り小さいくらいの果実ができ10月~11月になると熟して黄色くなり、爽やかな香りを放ちます。果実の表面には細かい毛が密生し、ベルベットのようなやさしい手触りが特徴的です。
本来は毎年花を咲かせる常緑多年草で低木状に育ちますが、寒さに弱く霜の降りる頃には枯れてしまうことが多いので、一年草として扱うのが一般的です。南西諸島では逃げ出した?園芸品種が一部野生化しているようです。草丈は低くボール状によくまとまり、花付きもよく様々なバラエティーに富んだ花色があり、半日陰の場所でよく咲くので花壇や鉢植えなどに幅広く利用されています。
名前の由来
中国から渡来した橘(たちばな)「カラタチバナ(唐橘)」を略して「カラタチ」になったと言われています。漢字では「枸橘」もしくは「枳殻」と書いて「カラタチ」と読みます。「枳殻」はキコクとも読みます。関係ないのですが、京都東本願寺の渉成園(しょうせいえん:庭園)はかつてカラタチの生垣が周囲に植えられていたそうで、それにちなんで枳殻邸(きこくてい)とも呼ばれます。
種類
樹高が低くて葉が小さく、枝やトゲがねじれ曲がる「ヒリュウ(飛竜)」、鉢植えに適した「一才カラタチ」などの種があります。また、細胞融合により作られたオレタチ(オレンジ×カラタチ)などの雑種が知られています。
用途
鋭いトゲがあり、刈り込んである程度形を自由に仕立てられるので古くから侵入阻止や防犯目的の生垣として利用されてきました。強健で扱いやすいのでキンカンやミカンを接ぎ木する際の台木にされることも多いです。接ぎ木には、通常より短い年数で実を付ける木になる、などのメリットがあります。果実は生食には適しませんが果実酒にしたり、未熟な果実を乾燥させたものは生薬として利用されます。
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ミカン科 難易度★★☆☆☆
カンキツ類の中でも主に香りや酸味を利用する「香酸カンキツ」の代表格で世界中で広く利用されています。