オセアニアのラン
プテロスティリス
科名:ラン科学名:Pterostylis原産地:オセアニア草丈:10cm-30cm開花期:12月-3月難易度 (ふつう) |
プテロスティリスとは
花の各部名称 (クリックで拡大) 球根(根塊) |
オーストラリア南東部を中心にニュージーランド、ニューカレドニア、ニューギニアにおよそ100種が分布するランの仲間で、明るい林の下などに自生します。地中に球根(塊根)をつくります。球根は球形やだ円形で頂点に芽があり、クワイを極々小さくしたような姿です。葉は地表に張り付くようにべちゃっと放射状に出ます(「ロゼット状」と言って真冬のタンポポのような状態です)。プトロスティリス・クルタが比較的栽培されています。
主な開花期は冬で、花茎をまっすぐ伸ばしてその先に1〜数輪の花を咲かせます。花は背がく片が覆い被さるように前に出て帽子状になり、側がく片がV字型に長く伸びます。その内部に唇弁(リップ)があり、先端が顔をのぞかせます。唇弁は下部に蝶番(ヒンジ)がある可動式になっています。花の大きさは長さ2cmから大きくなる種で約6cm、色は緑や紫褐色です。地下茎の先端が膨らんで新たな球根をつくり、古い球根と茎葉は夏前に枯れて休眠します。
名前はギリシア語のプテロン(翼)とスティロス(柱)からなり、「翼のある花柱」という意味です。これは蕊柱(ずいちゅう:雄しべと雌しべが一体化した器官)の先端にある翼状の小片に由来します。ラベルなどに記載するときの略号は「Ptst.」です。
育て方
栽培カレンダー
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花期 |
植え替え |
肥料 |
日当たり・置き場所
越冬温度は0〜5℃、冬はベランダや室内の日当たりのよい場所で育てます。霜の心配のない地域なら戸外で越冬可能です。春は戸外に出してよく日に当てます。休眠期は雨の当たらない涼しい場所に置きます。秋に休眠から覚めて葉が出てきたら日当たりに置きます。
水やり・肥料
生育期は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。花後に葉が黄色く枯れてきたら徐々に水やりの回数を減らし、休眠期は水を断ちます。休眠から覚める9月に水やりをはじめます。
肥料は秋と春、液体肥料を月2回の割合で与えます。
植え替え・用土
植え替えは休眠期の夏に行います。古い球根はしぼんで枯れ、地下茎の先端に新しい球根ができます。そのままだと新しい球根の位置が深すぎるので、毎年鉢から抜いて新しい球根を掘りあげて浅めに植え直します。深さは球根の高さ1個分が目安です。
水はけのよい用土がよく、山野草の用土や川砂、赤玉土と鹿沼土を混ぜたものなど適しています。
かかりやすい病気・害虫
とくにありません。
ふやし方
植え替え・用土の項を参照。
ポイント
・秋〜初夏に生育し、夏は球根の状態で休眠する
・秋と春(花後)に充分な日光と水、肥料を与える
・越冬温度は0℃〜5℃、戸外栽培は霜に気をつける
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