イチイガシの育て方

生長は遅いが大木になる

ブナ科 「い」からはじまる植物 花木・庭木・果樹

イチイガシ
科名
ブナ科
学名
Quercus gilva
別名
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原産地
日本 済州島 中国 台湾
大きさ
~30m
主な開花期
5月
耐寒性
ふつう
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

日本(本州-関東以南、四国、九州)、済州島、中国南西部、台湾に分布する常緑樹です。暖地の山野を中心に自生するドングリの木のひとつです。生長はゆっくりですが寿命の長い樹で、大きなものは高さ30mを超します。西日本の寺社で大きな木が見られ、春日大社(奈良)境内の巨樹群はよく知られています。

庭木にはあまり利用されていません。材は堅くて粘り(しなやかで折れにくい)があり、船の櫂に最適とされます。

イチイという名前の針葉樹がありますが、本種とは全く別物です。

姿・形

幹はまっすぐ直立します。樹皮は黒褐色~灰黒色で、表面は不規則にざっくりとひび割れます。若い枝は黄褐色の星状毛※で覆われ、縦に溝が走ります。3~4年経つと表面の星状毛は落ちて、樹皮があらわになります。

葉っぱは先端の尖った楕円形で、長さは6cm~14cmです。先端に近い方が幅広く、つけ根に行くに従い細くなります。縁の上半分は鋭いギザギザが入ります。表面は濃緑色でツヤがあります。裏面は黄褐色の星状毛が密生します。若葉の頃は葉表にも黄褐色の毛が生えますが、すぐに落ちます。

初夏に花が咲くと同時に、前年の葉をふるい落とします。主な開花期は5月です。新しく伸びた枝の付け根に雄花をたくさん付けたしっぽ状の花序が垂れ下がります。枝の上部の葉腋(葉の付け根)に雌花をつけた花穂が直立します。

ドングリは長さ2cm前後、直径1cm~1.3cmで先端や殻斗(帽子の部分)に星状毛が生えます。秋に熟して茶色く色づきます。殻斗は浅いお椀型で、表面は横縞になります。ドングリはアクが少なく食用になります。

由来

カシの木の一種なのでこの名前がありますが、イチイが何を指しているのかは不明です。

属名のクエルクスは「良質の材木」の意。種小名のギルバは「くすんだ黄色の」という意味です。若葉などに生える黄褐色の星状毛に由来するのではないかと思います。


育て方

適した場所

日当たりの良い場所が適しています。土質を選ばずに育ちますが、根が深くまでしっかり張れるような、砂質土壌が最適です。植栽適地は本州~九州です。

手入れ

枝を切ってもその後よく芽吹きますが、ばっさり深く切る強剪定は避けます。

水やり・肥料

ドングリをまいてふやします。乾かすと発芽力が極端に落ちるので気をつけます。

かかりやすい病害虫

ウドンコ病が出やすいです。

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