- 科名
- イチイ科
- 学名
- Torreya nucifera
- 別名
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- 原産地
- 日本 朝鮮半島
- 大きさ
- ~25m
- 主な開花期
- -----
- 耐寒性
- つよいほう
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
〔〕内は学名
日本(本州・四国・九州)、朝鮮半島に分布する常緑性の針葉樹です。樹齢が長く、長く生きると樹高は25m以上になります。日陰に強く、ある程度の大気汚染にも耐え、土質を選ばずに育つ丈夫さをもち、たまに庭木、公園や緑地などに利用されます。大木のものは寺社などで見かけることがあります。
姿・形
葉の長さは2cm~3cm、細長くて先端がとがり、触れるとチクチクします。表面は濃緑色でツヤがあります。葉はらせん状に出ますが、付け根の部分でねじれており、結果として行儀よく二列水平に並びます。葉っぱをちぎると柑橘系に近い爽やかな香りがします。
雄と雌の木が別々で、春にそれぞれ雄花、雌花を咲かせます。雌花は受粉するとだ円形の実が成り、2年目(翌年)の秋に熟して緑色から赤褐色に変化して割れます。
種類
変種に大きくならない低木のチャボガヤ〔var. radicans〕、実が小粒のコツブガヤ〔var. igaensis〕、種子の皮がねじれ模様になるヒダリマキガヤ(必ずしも左まきではない)、などがあります。
利用
実は食用になったり、しぼると油が採れます。地域によっては枝や葉を正月や節分行事の飾り物に用いたそうです。木材は碁盤や将棋盤の素材としてよく知られます。かやぶき屋根のカヤは草で、ここで紹介する木のカヤとは別の植物です。
似ている樹木との区別
葉っぱの見た目がよく似た樹木にイチイ〔Taxus cuspidata〕とイヌガヤ〔Cephalotaxus harringtonia〕があります。葉っぱをよく見ると簡単に区別できます。
イチイの葉は表を見ると2本の筋が入って中央が線状に盛り上がり(中肋)、裏は幅の広い薄緑色の筋が2本はいります。カヤは葉表がのっぺりしており、裏には幅の狭い白い筋がくっきり入ります。イヌガヤは葉表にくっきり2本の筋が入り、裏は幅の狭い白色の筋がくっきり入ります。
育て方
- 乾燥地への植え付けは避けます
- 雌木をふやすには接ぎ木で
- 植え付け適期は春~秋
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 4月下~10月上 |
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剪定 | 3月~4月上 / 10月下~11月上 |
日常の手入れ
地際から出てくるひこばえや胴吹き枝は早めに切り詰めます。芽吹く力が強くて、枝もよく伸びるので、切り詰めて小さく仕立てる事ができます。庭木として仕立てる場合、枝を切り詰めて、円柱形にするのが一般的です。適期は芽吹く直前の3月~4月、秋の10月~11月です。実を採りたい場合は基本放任ですが、枝が張って場所をとります。
日当たり・置き場所
日当たりでも育ちますが、日陰にも良く耐えます。むしろ苗木や若木は日陰の方が良く育ちます。どちらかというと暖地性の針葉樹で、植栽適地は本州から南です。
肥料
植え付ける際、堆肥や肥料を充分施しておけば、それ以降は改めて与える必要はありません。
かかりやすい病害虫
ほとんど見られません。風通しが悪いとアブラムシやカイガラムシの排泄物からスス病を発生することがあります。
植え付けと用土
植え付け時期は春から秋が適期で、寒い時期は避けます。適度に湿り気のある肥沃地を好みます。土質はあまり選びませんが、粘土質のやや重い土が適しています。乾燥地は避けます。
根を傷めないよう丁寧に扱えば、木の大きさにあまり関係なく移植にもよく耐えます。若木は移植しやすそうに感じますが、ぞんざいに扱うと枯れてしまうことがあるので注意します。理想としては前もって枝葉を切り詰めて、半年から1年前に根回しを行っておきたいです。
ふやし方
タネまきと接ぎ木で増やします。タネまきは秋に採った実から果肉を取り除いてすぐにまくか、乾燥させないように貯蔵しておき春にまきます。発芽後2~3年は比較的ゆっくりした生長ですが、その後は良く伸びます。 実を採るために雌木が必要な場合は雌木の枝を接ぎ木でふやします。
関連する植物
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イチイ
イチイ科 難易度★★★☆☆
日陰に良く耐え、寒さにも強く、積雪にも折れにくいので、寒冷地を中心に庭木や垣根として広く利用されています。