派手な花姿

ケイトウ

ヒユ科 「け」からはじまる植物

ケイトウ
この植物の育て方
科名
ヒユ科
学名
Celosia cristata
別名
鶏頭 (漢字表記)
原産地
熱帯アジア インド
大きさ
高さ20cm~1.5m
開花期
7月~10月
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

ケイトウの仲間 ( ヒユ科セロシア属 ) はアジア、アフリカ、アメリカの熱帯・亜熱帯に約50種が分布します。多くは花後に枯れる一年草として扱います。属名のセロシアはギリシア語の「ケレオス ( 燃焼した ) 」に由来し、ある種の花色にちなむとされています。

単に「ケイトウ」というと、園芸では熱帯アジア、インド原産のクリスタタ種とその園芸品種を指します。漢字では「鶏頭」の字を当てますが、これは花の姿を鶏のとさかに見立てたものです。

日本では春にタネをまいて夏から秋に花を楽しむ、春まき一年草として扱います。暑さに強く、真夏でも弱らずぐんぐん生長します。花壇の他、切り花、鉢植えにも利用されます。鉢に花の咲いた小さな株が密集したアレンジメントのようなユニークな鉢植えも出回っています。

草丈は品種によって大きく異なり、小さいもので15cm、大きなものは1.5mほどになります。花色は黄色、赤、オレンジ、紅紫などがあります。

歴史

日本へは8世紀頃に中国や朝鮮半島を経由して入ってきたと言われています。万葉集の中で詠まれている「韓藍(からあい)」はケイトウだとされますが、これがノゲイトウなのか現在俗に言われているケイトウなのかはよくわかりません。『花壇綱目』(1681年刊)『大和本草』(1709年刊)に「鶏頭花(けいとうげ)」として紹介されているものが、現在のケイトウに近いものではないかと思われます。『本草図譜』(1828年刊)には「とさかけいとう、さきわけけいとう」など現在栽培されている元となっているものが載せられています。

系統 (グループ)について

花の姿や性質の違いで、トサカ系・久留米系・キルドシー系・プルモサ系4つの系統に分けます。

ケイトウの系統

トサカ系

花穂の下の方がべたっと帯状になり、その上部はぐねぐねと曲がりくねったような形になります。

クルメ (久留米)系

終戦直前インドから日本へ持ち帰られたタネが元となっています。花は球状にまとまりボリュームがあります。たとえは悪いですが、しわの刻まれたリアルな脳みそのようにも見えます。表面柔らかい毛がびっしり生えておりフェルト生地のように見えます。

キルドシー系

短くて細かい羽毛のような花穂が特徴です。ヤリゲイトウとも呼ばれます。

プルモサ系

花穂が羽毛状になり、フサゲイトウとも呼ばれます。


その他の仲間

ノゲイトウ〔C. argentea〕の園芸品種が属名のセロシアやアレンジメントセロシアの名前で流通しています。花の持ちが良いので、切り花としての需要も高いです。

ノゲイトウはインド原産で花穂の先端はピンク色で咲き終わった下の方は銀白色になります。性質は丈夫で、日本でも野生化している帰化植物です。園芸品種に花色が濃く花穂が太い’キャンドル’や、花穂が短く濃い紅紫色の’ピア’があります。

ヒモゲイトウやハゲイトウは同じヒユ科の中でも違う属の植物で、ケイトウの仲間とはいえません。

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