- 科名
- クスノキ科
- 学名
- Laurus nobilis
- 別名
- ローレル
- 原産地
- 地中海沿岸
- 大きさ
- 高さ5m~10m
- 開花期
- 4月~5月
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
小アジア、ギリシア、イタリア、フランスなど地中海沿岸に広く分布する常緑性の高木です。大きくなると樹高は10m以上になります。カレーやシチューなど煮込み料理に入れる葉っぱ(香辛料)としてよく知られています。そう考えると非常に身近な樹木です。料理など香辛料としては乾燥葉を利用します。生葉は苦みがあり適しません。
刈り込んできれいな形に仕立てることができるので、庭木や垣根として広く普及していますが、カレー・シチュー用も兼ねて苗木を栽培している人も結構いるのではないかと感じます。性質は丈夫ですが、存外に病害虫(カイガラムシやすす病)が付きやすいのがネックです。
姿・形
葉っぱはやや先端がとがった長だ円形でやや厚めで革質、色は濃い緑です。枝や葉っぱは傷つけると樟脳を薄くしたような弱い香りがします。葉は乾燥させると甘い風味が出て、香りも強くなります。
4月~5月に枝にくっつくような感じで、緑色がかった黄白色の小さな花を咲かせます。花芽自体は前年の秋のうちにできて、肉眼で確認できます。雄と雌の木があり、雌の木は花後に果実ができ、秋になると熟して黒に近い紫色になります。果実はタマゴ型で、絞るとローレルオイルが採れます。一般的に日本では雄の木ばかりで雌の木は少ないと言われていますが、珍しいと言うほどではありません。仲間に葉に模様の入ったフイリゲッケイジュがあります。
名前の由来
学名はラウルス・ノビリスで、属名のラウルスはケルト語で緑を意味する「laur」に由来します。種小名のノビリスはラテン語で「高貴な」「高名な」という意味でノーブルの語源です。古代ギリシアではゲッケイジュの小枝で作った冠(月桂冠)を勝者や英雄に授けて讃える習慣があり、月桂冠は勝利と栄光のシンボルとされます。
来歴など
イギリスでは中世以降、王家に任命された詩人に対し「桂冠詩人(Poet Laureate)」という称号が与えられます。国家行事などで詩を朗唱するお仕事なのだそうで、わかりやすく言えば「王室付き詩人(公務員)…1名」です。フランスのバカロレア(Baccalaureat:国家統一の大学入試)は、ラテン語のbaccalauri(月桂樹の実)に由来します。
日本には明治9年頃に入ってきたのが最初で、日露戦争(明治37年-38年)の戦勝記念で東郷平八郎により日比谷公園に植樹されたのが広まったきっかけとされています。