- 科名
- ノウゼンカズラ科
- 学名
- Catalpa ovata
- 別名
- アズサ
- 原産地
- 中国
- 大きさ
- 5m~10m
- 主な開花期
- 6月~7月
- 耐寒性
- つよい
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
中国中部原産の落葉樹です。万葉集にも出てくるそうなので、日本にはかなり古い時代に渡来したのではないかと考えられます。もともとは、果実を薬の材料とするために栽培されていました。現在は緑陰樹として公園に植えられたり、街路樹して利用されるほか、寺社でもときおり見られます。庭木としては通常利用されません。耐寒性もあり、あまり場所を選ばず育ちます。
葉っぱが大きく、枝はまばらでほぼ水平に伸びます。大きくなると樹高は10mを越し、幹は灰褐色で縦に浅く裂けます。葉身(葉っぱ本体)は幅の広いタマゴ型で長さは10cm~25cm、3~5つに浅く裂け、葉脈上に短い毛が生えます。葉柄(葉の軸)は長く、葉身と同じくらいの長さになることもあります。
6月~7月に、淡い黄色に紫色の斑点の入った花が円錐状にまとまって咲きます。花は咲き終わったそばから細長い果実(朔果)になります。果実は長さ30cm~40cmになり、本当にササゲがたくさんぶら下がっているように見えて面白いです。生長がとても早く、まだ咲いているのに、ちょっと前に咲き終わった花はもう立派な果実になっています。残念ながら食用にはなりませんが、「梓実(しじつ)」と呼ばれ薬になります。
秋に茶褐色に熟して縦に割れ、中のタネは風に飛ばされます。タネは長さ1cmほどの扁平な楕円形で、両端に長い毛がたくさん生えます。
名前の由来
ササゲのような果実を付ける木なので、この名前があります。中国名は梓樹(しじゅ)と言います。出版することを「上梓」というのは、この木が版木に使われたからだとされます。
その他の種類
〔〕内は学名。C.はCatalpaの略
同様に公園樹や街路樹に利用される近縁種にアメリカキササゲ〔C. bignoioides〕があります。姿形はよく似ていますがより大型で花色は白く、果実はやや太短いです。北アメリカ原産で、日本には明治時代に入ってきました。
育て方
- 風の強い場所での植栽は避ける
- 剪定はできるだけしない
- 植え付け、剪定、肥料などは落葉期に
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 12月~1月 |
---|---|
剪定 | 12月~2月 |
肥料 | 2月下 |
日常の手入れ
枝が粗いので、むやみに切るとおかしな樹形になります。ただ、枝が横に張るので、スペースの関係で仕方ない場合は剪定を行います。強健で芽吹く力は強いので、太めの枝を切っても大丈夫です。適期は落葉期の冬です。
花は昨年伸びた枝の先端に付くので、あまり切りすぎると花が見られなくなります。
日当たり・置き場所
日当たりの良い場所が適しています。もともと湿地で育つ樹木ですが、乾いた場所でも良く育ち、土質はあまり気にしなくてもよいです。風当たりの強い場所は避けます。寒さには強く北海道南部~沖縄まで植栽可能です。
肥料
落葉期の2月に行います。
かかりやすい病害虫
とくにありません。
植え付けと用土
適期は落葉期ですが、厳寒期は避けます。肥沃な土でよく育つので、植える場所には堆肥や腐葉土を充分混ぜ込んでおきます。
ふやし方
タネまきとさし木ができます。
タネまきは秋にタネを採って保管しておき、3月頃にまきます。 さし木は2月に枝を切り取って土の中に保存して、3月下旬に挿すか(休眠枝挿し)、春に伸びた若い枝を6月頃に挿します(緑枝挿し)。
関連する植物
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ノウゼンカズラ
ノウゼンカズラ科 難易度★★☆☆☆
つる性の落葉樹で、壁やフェンス、他の樹木などにへばりついて体を支えて上に伸びていきます。