強健で用途も広い樹木
マテバシイ
科名:ブナ科学名:Lithocarpus edulis別名:サツマジイ マタジイ原産地:九州 沖縄樹高:7m~10m主な開花期:6月難易度 そだてやすい 耐寒性 つよいほう 耐暑性 ふつう |
マテバシイとは
九州、沖縄に自生する常緑樹です。本州の関東以南、四国にも分布しますが自生かどうかは不明です。俗に言うドングリの木のひとつで高さ10mになります。生長が早く大気汚染に強いので、街路樹や公園樹に利用されます。潮風にもよく耐え根が深く張るので、防風林としても植えられます。
よく枝分かれして樹形は丸くまとまります。葉っぱは長さ8cm~20cmの革質で、細長いタマゴ型です。表は明るい緑色で光沢があり、裏は毛が生えて淡い褐色になります。
主な開花期は6月です。雄花は黄褐色の長い穂状で、枝先の葉腋(葉の付け根)に上を向いて付きます。雌花は雄花の花穂の下に付くか、独立した形で雌花だけの花穂をつくります。
果実(どんぐり)は1.5cm~2.5cmの長だ円形です。身近などんぐり類の中では一番スリムな形をしていますが、株の個体差なのか、ずんぐりとした丸形のどんぐりも見られます。2年目の秋に熟して褐色になります。殻斗(どんぐりの帽子部分)はお椀形で、表面が鱗状の模様になります。殻斗から外すと、果実のおしり部分は凹んでいます。
果実は油分を含み、食べることができます。スダジイ(どんぐりの中では一番美味しいとされる)に比べると味は劣るとされます。炒ると猛烈にはぜるので注意が必要です。
名前の由来
名前の由来ははっきりしません。一説には『葉の形がマテ貝に似ているシイの木』の意味だとされます。馬刀葉椎の漢字を当てることもあります。
属名のリトカルプスは「石の果実」の意で、果実が堅いところにちなみます。種小名のエドゥリスは「食べられる」という意味です。
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育て方
栽培カレンダー
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花期 |
植え付け |
剪定 |
肥料 |
適した場所
風通しの良い日当たりが適しています。やや湿り気のある土壌を好みますが、乾燥地でも問題なく育ちます。植栽適地は東北南部より南で、寒冷地での植栽にはやや不向きです。もともと暖地に自生する樹木です。潮風、大気汚染などによく耐えます。
植え付け・植え替え
植え付けの適期は5月~7月、9月です。少し寒さに弱いことを考えると、春早くや秋遅めの作業は避けた方が良いです。暖地でしたら、春は3月頃から、秋は10月頃まで植え付けできます。肥沃で湿り気のある土を好むので、植え場所には堆肥や腐葉土を多めに混ぜておきます。
肥料
2月に堆肥や鶏ふん、9月に化成肥料を施します。
手入れ
樹形はある程度、自然に丸くまとまります。樹形を乱す枝を切り、混み合った部分の枝は、風通しと日当たりを良くするために間引きます。剪定は自然樹形を損ねない程度にとどめます。
木が若いうちは株元から勢いのある枝(ヤゴ)がたくさん出てくるので、見つけ次第付け根から切り落とします。
ふやし方
秋に落ちたどんぐりを集めて、湿らせた土に埋めておけば発芽します。すぐに播けない場合は、湿らせた砂といっしょに貯蔵しておき、遅くとも春には播いてしまいます。乾燥させると発芽率が落ちます。
病害虫
カイガラムシやアブラムシが発生します。風通しが悪かったり、樹が弱っているとき、特に被害に遭いやすいです。
ポイント
寒冷地での植栽は不向き
剪定は自然樹形を損ねない程度に
日当たりの良い湿潤地でよく育つ
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