- 科名
- モクセイ科
- 学名
- Olea europaea
- 別名
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- 原産地
- 地中海沿岸 中近東
- 大きさ
- 5m~15m
- 開花期
- 5月~6月
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
中近東・地中海沿岸・北アフリカが原産と考えられる、常緑性の高木です。人類との関わりは非常に古く、クレタ島ではで紀元前3000年頃に栽培されていたと言われています。寿命の長い樹で樹齢3000年を超すオリーブの木もあるそうです。日本に現存する最古のオリーブは、神戸の湊川神社のオリーブと云われており、明治11年にフランスから持ち込まれたものです。
樹高は10m~15mになります。葉は長さ5cm~8cm、細長くて先端がとがり、革質で硬いです。葉の表葉光沢のある濃緑色で、裏は銀白色になりコントラストがよいです。春にはのつけ根から短い枝を伸ばして、黄色みがかった白い花を20輪前後まとめて咲かせます。花粉が風によってばらまかれる風媒花です。果実は球形やタマゴ形など品種によってことなります。最初は濃緑色で、次に黄緑色になり、秋には完熟して黒紫色になります。果実の中には1コ(まれに2コ)のタネが入っています。根は地面の比較的浅い位置に張ります。
利用
果実は塩漬けにして食用とされます。果実にはオレウロペインという苦み成分が含まれており、若い果実は生のままでは渋くて食べられません。熟した果実はつぶしてオリーブ・オイルを採ります。
園芸では庭木や鉢植え、公園などの公共用樹木としても利用されます。クセがないけども見栄えのする樹姿は様々な草花と見た目の相性がよいので、高さ30cm~2m程度の幼木が寄せ植えにも用いられます。特にテラコッタ鉢の寄せ植えは定番といってよいほどよく見かけます。
来歴
栽培の起源は5500年~6000年前、シリア・トルコなど中近東からはじまり、そこからヨーロッパ方面に伝わったと考えられています。
日本へは1594年、スペインの国王から樽に入ったオリーブの実が献上され、これがはじめてと云われています。木自体が入って来たのは江戸時代末で、フランスから取り寄せた苗木を横須賀に植えたのが栽培の始まりとされています。その後はアメリカやイタリアからも苗木やタネが導入されました。明治15年、神戸オリーブ園で果実が収穫され、国産第一号のオリーブオイルと塩蔵オリーブが生産されました。
世界の3大生産国スペイン、イタリア、ギリシアです。日本では小豆島や牛窓(岡山)で生産されていますが、海外の安価なオリーブ商品が大量に流通し、現在では大きく減少しています。
品種
作物としての需要が高く、世界中で500を越す品種があり、用途によって搾油用・塩蔵用・兼用の3つに分けられます。また、果実の熟す時期で早生・中生・晩生があります。日本でも比較的よく植えられて苗も流通しているのは、マンザニロ、ルッカ、ミッション、ネバディロ・ブランコの4品種です。
マンザニロは早生種最もポピュラーな品種です。タネが小さくて果肉がきめ細かく塩蔵用に優れています。ルッカは果実に25%前後の油分を含む搾油用の品種です。兼用の晩生種ミッションも日本国内で作物として栽培されています。搾油、塩蔵どちらにも適しています。また、搾油用のネバディロ・ブランコは観賞用の樹木としても用いられます。
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キンモクセイ
モクセイ科 難易度★★★☆☆
オレンジ色の小花が、ふんわりとした芳香を漂わせる。秋を代表する花木。