夏に白い花穂を出す落葉樹
リョウブ
科名:リョウブ科学名:Clethra barbinervis別名:令法【漢字表記】原産地:日本樹高:5m-7m開花期:6月-8月難易度 (そだてやすい) |
リョウブとは
幹 |
リョウブは北海道南部から九州にかけて自生する落葉性の小高木です。初夏~夏にかけて白い小花を穂状に咲かせます。穂の長さは10~20cmになり、枝先にだらんと垂れ下がる感じで付きます。葉は細長めの卵形で先が短くとがってフチにはぎざぎざがあります。幹は茶褐色でところどころ樹皮がはげ落ちます。表面はなめらかで光沢があり美しくサルスベリの幹に似ています(リョウブのことを指してサルスベリという地方もあるようです)。
あまり見ませんが庭木や街路樹に利用できます。若葉は炊き込んでリョウブ飯として食用とされます。昔は葉を乾燥させて保存し、救荒用食物にしていました。材は緻密で堅く、床柱や木炭になります。 属名のクレトラはハンノキ属のある植物に付けられたギリシア語名クレトラ(Klethra)に由来し、その植物と葉が似ているところに由来します。
種類
〔〕内は学名、C.はClethraの略。北アメリカ原産のアメリカリョウブ〔C. alnifolia〕はリョウブほど大きくならずコンパクトに樹形が収まり花付きがよいのが特長です。また、アメリカリョウブにはピンク色の花を咲かせるロゼアや白花で芳香があるハミングバードなどの園芸品種があります。
育て方
栽培カレンダー
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花期 |
剪定 |
植え付け |
肥料 |
日当たり・置き場所
日当たりのよい場所に自生していることが多いですが、ある程度の日陰でも充分育つ丈夫な樹木です。西日を嫌うので、植え付けるときは西日のもろに当たるような場所は避けましょう。
水やり・肥料
肥料は1月~2月に骨粉と油かすを混ぜたものを株元に施します。
かかりやすい病気・害虫
幹や枝の内部を食い荒らすテッポウムシ(カミキリムシの幼虫)が出ることがあります。
植え付け・用土
植え付けは落葉期に行うのが基本で、もっとも適しているのが芽が吹く直前の3月頃です。
水はけのよい土壌であれば土質は特に選ばず育ちます。アメリカリョウブは日当たり~半日陰でやや湿り気のある土壌が適しています。
ふやし方
タネをまいてふやすことができます。
秋に熟した果実を採取して貯蔵しておき、翌年の春3月~4月にまきます。
手入れ
自然樹形が原則で、不要な枝(枯れ枝・ひこばえ・徒長枝)を切るのが剪定の基本となります。
まず、地際から勢いよく出てくる枝(ひこばえ)は元から切り落とし、幹の本数を3~5本にしぼってそれを骨格として樹形をつくっていきます。樹形を乱す伸びすぎた枝や間延びした枝(徒長枝)も切り落としていまいましょう。枝がたくさん出るので、茂りすぎて邪魔な場合は枝の位置やバランスを考えて、全体が均等になる様に枝を切ります。
枝を切る際、枝分かれしている付け根の部分から切り落とすのが自然樹形を保つコツです。剪定の適期は落葉期の1月~3月です。
ポイント
・西日を嫌う
・アメリカリョウブは湿り気のある土が適する
・植え付けは3月頃が適期
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