- 科名
- ザクロ(ミソハギ)科
- 学名
- Punica granatum
- 別名
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- 原産地
- 小アジアからアフガニスタン ヒマラヤ
- 大きさ
- 高さ~7m
- 開花期
- 6月~7月(果熟期:9月下~10月)
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
小アジア~アフガニスタン、ヒマラヤなどに分布する落葉性の樹木で高さは7mほどになります。主に果樹として扱われ、古代より栽培されていました。日本には中国経由で平安時代に入ってきたとされています。
枝はやや細かく枝分かれし、短い枝の先端はトゲになります。主な開花期は初夏で、春に伸びた枝の先端に緋色の花を咲かせます。基本は6枚の花びらを持つ一重ですが、八重咲きや花色も白や黄色、絞り咲きになるものがあります。果実は秋に熟し、中にはたくさんのタネが詰まっています。タネのまわりの外皮は透明で淡い紅色、汁気が多く酸味と甘みがあり食用となります。
果実をはじめ、樹皮や根皮にも薬効があるとされ、漢方薬として用いられます。
種類
ザクロには非常に多くの種類があり、便宜上、果実の食用を目的とした「実ザクロ」と花の鑑賞に重点を置く「花ザクロ」と言う風に分けることもあります。
欧米では果実が大きくて、ジュースをたっぷり含み、甘みが強い良質な果実を目的とした品種が多くあります。
中国では果樹・花木それぞれが発達しました。果樹として代表的な品種に「水晶ザクロ」「大紅ザクロ」などがあります。果樹ほどではありませんが、庭木用の品種も多く作出されたそうです。
日本では果樹としては発達せず、江戸時代には鉢植えで栽培される「ヒメザクロ」をはじめ、花色や、花形、樹形などに変化を求めた花木として栽培されていました。それらの品種は主に中国で作出されたもので、50以上の品種があったと言われています。もちろん実はできるものの、それは副次的な扱いだったようです。
名前の由来など
学名の由来
ザクロの学名はプーニカ・グラナツム、プーニカは「フェニキア人の」の意で、フェニキア人の国カルタゴが原産地とされていたことによります。グラナツムは「たくさんのタネを持つ」と言う意味で、果実に由来します。
漢名の由来
漢字では「石榴」と書きます。これは中国での俗名がそのまま日本に入ってきたものです。「石」は「安石」の略でアルサケス朝という王国(現在のイランのあたり)を指し、「榴」は「こぶ」の意です。まとめると「アルサケスに産する果実にこぶがある植物」と言う意味になります。
その他
「紅一点」は中国の王安石が詠んだ「万緑叢中紅一点(辺り一面の緑の中、赤い花-ザクロ-が一輪咲いている)」と言う句に由来します。この句は小さいながらも鮮やかでよく目立つザクロの花を簡潔に表した非常にわかりやすい言葉だと思います。
洋の東西を問わず神話や伝承に多く登場し迷信も多く知られます。それだけ人との関わりが古くそして深い植物といえるでしょう。
花後に落下した赤い萼はタコさんウインナーのような姿で非常に可愛らしいです。
その他の画像
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