- 科名
- アヤメ科
- 学名
- Crocus sativus
- 別名
- バンコウカ(蕃紅花)
- 原産地
- 小アジア~地中海沿岸
- 大きさ
- 高さ10cm~15cm
- 開花期
- 10月~11月
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
早春の球根植物として親しまれているクロッカスの仲間です。秋に松葉の様な細長い葉を出しつつ、同時に紫色の花を咲かせます。花が咲いた後も葉は長く伸び、翌春の5月頃に枯れて休眠します。
花の真ん中当たりに、赤い糸くずのような雌しべ(柱頭)があります。これを乾燥させたものが、高価なスパイスとして有名な「サフラン」です。雌しべは3本あるように見えますが、元でくっついており、正確には一本の雌しべの先端が3つに大きく裂けている、と言うことになります。
スパイスとしてのサフラン
「サフラン」は古くから料理の色づけや風味付けに用いられパエリヤやブイヤベースには欠かせないもののひとつです。また、染料やお茶としても利用されます。ひとつの花からとれる量が非常に少なく1gの’サフラン’は160個分の花に相当するそうです。 収穫もひとつひとつ手づみが基本です。貴重で手間がかかり、高価なので、ヨーロッパではちらほらと偽造品が出回ることもあったそうです。
ヨーロッパでは古代ギリシア時代から利用されてきましたが、日本には江戸時代末期に漢方薬として入ってきました。スペインのバレンシア産のものが良質で最高級とされています。また、日本国内でも大分県竹田市などで栽培が行われています。
名前の由来
属名のクロッカスは、ギリシア語でのサフランの呼び名、krokos(糸)に由来するとされ、糸状の雌しべにちなむとされます。種小名のサティバスは「栽培された」の意。
花ことば
「歓喜」「過度をつつしめ」「濫用するな」(いずれも英) 「歓喜の度を過すな」(仏)
サフランは(お酒を飲んだとき)酔いを覚ます効果があるけれども摂りすぎると気分がハイになる、とされていました(プリニウスの『博物誌』による)。「飲み過ぎても大丈夫、サフランあるから」と言う酒飲みを戒めているのかもしれません。