センリョウ(千両)の育て方
育て方はこのページの下
- 科名
- センリョウ科
- 学名
- Sarcandra glabra (=Chloranthus glaber)
- 用途など
- 鉢植え 庭植え
- 開花期
- 7月~9月(果熟期:12月~2月)
- 大きさ
- 高さ50cm~80cm
- 耐寒性
- ややよわい
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
育て方
- ・半日陰の場所を好みます
- ・寒風や霜に当たると枝枯れを起こす
- ・肥料は控えめにします
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 5月 / 9月下~10月上 |
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剪定 | 12月~1月 |
肥料 | 2月~3月上 |
日常の手入れ
剪定
地際からたくさんの枝を出す「株立ち」になりますが、ほとんど枝分かれせずまっすぐ伸びていくので、放任しておいても姿形が乱れることは少なく剪定の必要はさほどありません。
枝が茂りすぎると風通しが悪くなり根元が蒸れて葉っぱを落とすことがあるので、枝数が多く茂りすぎた場合は切り詰めて枝数を減らします。作業の適期は12月~1月で、実がなっている枝を地面ぎりぎりのところで切り落とし、まだ実の付いていない若い枝を残して育てていくのが基本となります。
切り取った枝がもったいなかったら花瓶に生けたり正月飾りに利用すると良いでしょう。また、地際に短い枝がある場合、風通しが悪くなって高温多湿時期に蒸れの原因になりやすいので、同様に切り落としておきます。すべての枝をばっさりと短く刈り込んでしまうと株が弱るので避けます。
実が付かない原因
初夏に花が咲いたのに実が付かなかった場合は、極端な日照不足や水切れなどが考えられます。また天候的な要因として、開花時期に長雨で花粉が洗い流されてしまい、ちゃんと受粉できずに実が付かないこともあります。
日当たり・置き場所
野生のものは常緑広葉樹林の下など、一年を通して薄日の当たるような場所に自生します。強い直射日光や西日は非常に苦手で半日陰の場所を好みます。日射しが強いと葉が黄色っぽくなり生育が衰えたり枝がれを起こすことがあるので、一年を通して半日陰の場所が適しています。暗い日陰でも生長はしますが、実付きは極端に悪くなります。
もともと暖かい地方の植物なので、寒さに弱い面があります。地植えにする場合は東北南部より南の地方が適しています。寒さの厳しい地方では鉢植えで育てて冬は霜や寒風の避けられる場所に移動させます。霜や寒風も強い日射し同様、枝枯れの原因になるうえに、乾いた寒風は花芽も枯らしてしまうことがあります。花芽が枯れてしまうと翌年の実付きは期待できません。
水やりと肥料
地植えの場合、適湿地に植えていたら特に水を与える必要はありません。鉢植えにしているものは土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
肥料は年に1回、2月頃に化成肥料や油かすと骨粉を等量混ぜたものを株の周りに少量施します。肥料は多ければよいというものではなく、センリョウに関してはむしろ少ない方が株も寸がつまった感じでバランスよく育ち、実付きも良くなります。多いとその逆で枝葉ばかり伸びて茂って実付きも悪くなります。特に窒素分の肥料が多いと顕著にその症状が出るので気をつけます。
適した土
腐葉土のような腐植質のたくさん入った適湿な土を好み、乾燥地は嫌います。鉢植えにする場合は赤玉土8:腐葉土2の割合で混ぜた土を用います。
植え替え・植え付け
植え付けの適期は暖かくなる5月もしくは暑さが和らぐ9月~10月中旬です。地植えの場合は植える場所に腐葉土や堆肥を多めに混ぜ込んでおきましょう。
鉢植えの場合、新芽が地面から伸びてこなくなったら鉢の中がいっぱいになっている可能性が高いので、一回り大きな鉢に植え替えます。適期は3月~4月です。
ふやし方
さし木、タネまきでふやすことができます。
さし木
5月~6月が適期です。枝を2~3節のところで切り取り、先端の4枚を残して下の葉は取り除きます。その4枚の葉も大きな場合は先端を1/3ほど切り取って、葉の面積を小さくして余計な水分が出て行くのを抑えます。1時間ほど吸水させてから赤玉土を入れた鉢に挿します。
タネまき
熟した果実を採って果肉を取り除き土にまきます。芽が出るまで3~4ヶ月かかるので、乾かさないように管理します。タネまき後順調に育って3年も経つと実をつける株に成長します。タネまきの適期は3月頃です。
かかりやすい病害虫
とくにありません。