スズムシソウ
- 科名
- ラン科
- 学名
- Liparis makinoana
- 別名
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- 原産地
- 日本 朝鮮半島 台湾 中国
- 大きさ
- 高さ15cm~30cm
- 開花期
- 5月
- 難易度
- ★★★★★(むずかしい)
こんな植物です
日本や朝鮮半島、中国東北部、台湾に分布するランの仲間です。
日本では北海道から九州まで分布し、平地から亜高山帯のややうす暗い樹林内の厚く落葉が積もった場所や倒木の上、まれに岩上などに根を張る着生種で、通常は地面に根を下ろしません。
径1cmくらいに肥大した球茎が地際にあり、その側面下から新芽を出します。新芽は最初くるりと巻かれた筒状で、徐々に開いて2枚の葉を広げます。5月頃、新芽の葉が完全に開く前に葉が合わさった中心部分から花茎を伸ばし10-20輪の花を咲かせます。
花は径1.5cm色は淡褐色、半透膜膜のようです。その色彩と形がスズムシの羽に似ているためにスズムシソウの名前があります。色彩や姿に派手さはありませんが、しみじみと落ち着いた雰囲気の渋いランで趣味性の高い植物といえるかもしれません。
その他の仲間
〔〕内は学名、L.はLiparisの略
スズムシソウを含むラン科リパリス属は世界の温帯から亜熱帯にかけて250種が分布します。代表的な近縁種に以下のようなものがあります。
フガクスズムシ〔L. fujisanensis〕
本州、四国に分布。草丈5-10cm、花径1cmの小型種で花色は赤褐色。主に樹木の幹に根を張り付かせて自生します。
セイタカスズムシ〔L. japonica〕
スズムシソウより大型で花の数が少ない。花色は淡い赤褐色。葉が開ききる前に開花するスズムシソウと異なり葉が完全に開いてから花を咲かせ、開花時期は7月頃と遅い。日本全国に分布。
その他
クモキリソウ〔L. kumokiri〕やジガバチソウ〔L. krameri〕、ユウコクラン〔L. formosana〕などが知られています。