タイサンボク
- 科名
- モクレン科
- 学名
- Magnolia grandiflora
- 別名
- ハクレンボク
- 原産地
- 北アメリカ南部
- 大きさ
- 高さ20m~30m
- 開花期
- 6月~7月
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
北アメリカ南部に分布する常緑性の樹木です。自生地のミシシッピ州とルイジアナ州では州の花に指定されています。成木は樹高20mほどになり、ゆったりと枝を広げた姿は雄大な雰囲気です。
葉は濃緑色で光沢があり長楕円形、長さは15cm~20cmです。葉裏は淡い褐色の毛が密生しており布地を貼り付けたようになっています。主な開花期は6月~7月で直径20cmほどの白い花を咲かせます。花は芳香を放ち、丸くて大きなつぼみはパカッと音を立てて開くような印象を持ちます。
広く植栽されている樹木で自然樹形はスペースをとるので公園などに植えられます。雄大な魅力は激減しますが、剪定で樹高を2mほどに抑えても開花するので、庭木としても利用されます。
名前の由来
タイサンボクは漢字で「泰山木」「大山木」と書きます。由来ははっきりしませんが、大きな花や葉を付け大木になる姿を大きな山になぞらえた、山のような泰然とした姿から名付けられたと言われます。また、花が大きな盞(さかずき)の形をしているから「大盞木」と書いてタイサンボクと読む、という説もあります。
歴史
日本には明治のはじめに入ってきて、現在では広く植えられています。明治12年8月、アメリカ第18代大統領だったグラント夫妻が来日した折りに、上野公園内に将軍がローソンヒノキ、婦人がホソバタイサンボクを植樹され、現在もグラント将軍植樹碑とともに当時の木を見ることができます。このとき植樹されたタイサンボクは「グラント玉蘭」と名付けられています。
グラント将軍植樹碑とグランド玉蘭
仲間
〔〕内は学名、M.はMagnoliaの略
日本では変種のホソバタイサンボク〔M. grandiflora var. laceolata〕が多く植栽されています。両者の違いはホソバ-は葉が細くて薄い、葉縁が波打たない、葉裏に生える毛が少なく後に脱落する、とか言われますが、ぱっと見よくわかりません。園芸品種の’リトルジェム’は樹高の低い矮性種(わいせいしゅ)で、木が若い内から花を咲かせます。大きめの鉢植えで育てることもできます。
近い仲間のヒメタイサンボク〔M. viginiana〕は花や葉が小型です。やや耐寒性が劣り、寒冷地では落葉することがあります。
その他の画像
1.葉表 2.葉裏 3.枝