10. 苗を定植する
定植とは
ポットに植えた苗が大きく生長し、鉢底から根っこが伸び出てくるようなら植え替えの合図です。定植は花壇や鉢に苗を植え付けることです。1年草の場合、そこで花を咲かせてタネを結んで一生が終わるので、いわば定住地であり、終の棲家です。
市販の草花苗を購入した際は、この作業が栽培のはじまりになります。
土を準備する
鉢やプランター
赤玉土(小粒)7:腐葉土3もしくは赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で混ぜた土に、ゆっくり効く粒状の化成肥料を混ぜ込んだものをもちいます。この最初に混ぜ込む肥料のことを元肥といいます。植物によって適した土は異なってきますが、この配合の用土なら、多くの草花をカバーできます。
混ぜるのが手間なら、市販の培養土を用いれば手軽です。そのさい、元肥が入っているかどうかを確認して、入っていないようなら使うときに混ぜ込みます。
花壇の場合
あらかじめよく耕しておき、堆肥や腐葉土を入れて水はけは水もちを改善し、九度石灰や有機石灰を混ぜ込んで酸性を中和し、元肥を入れます。
配置を考える
定植する前にポットに植わったままの状態で、花壇や鉢に並べてみて全体の配置を見ます。植え付け間隔は植物によって異なってきますが、まだ小さめの苗ならこれから生長することを考えて、15~20cmほどの間隔を取ります。花が咲いていて、ボリュームのある大きめの市販苗などはもう少し詰め気味に植えてもかまいません。
できるだけ大きさの揃った苗を植えた方が良いですが、タネから育てると生長にばらつきがでます。そんなときは大きめの苗は中心に添えて、小さめの苗はその周囲に配置するとバランスがとれます。1つの苗でも光の当たる方が良く育ち、そうでない方はやや生長が遅いこともあります。植える際はしっかりと向きを揃えて植えないと、やや乱れたような雰囲気になります。
ポットから抜く
ポットから抜いて定植しますが、植物を傷めないよう丁寧に扱います。
1.指ではさむ 株元の茎を人差し指と中指の間で挟みます。挟むと言っても力を入れるのではなく、軽く添える感じで。 |
2.ひっくり返す その状態でポットを逆さにして、苗を抜きます。無理に引っ張らず、落ちてきた苗を手のひらで受け止めます。 |
3.元に戻す 指で挟んだ方の手で苗を軽くつかみ、底の部分は反対の手を添え、ひっくり返します。 |
4.根(根鉢)をくずす 根が鉢の形に張っている状態を「根鉢」と言います。 市販苗で根鉢がびっしり張っているものは、鉢の中で根が回ってしまい、新たな根が出にくい状態になっています。そこで新たな発根を促すために「根鉢をくずす」作業をします。 具体的には、底の部分の根をベリベリ剥がし、側面を両手で持って、もにもに軽くもんでほぐし、所々ペリペリと根を剥ぎます。 適度に根が張った苗はこの作業をしなくてもスムーズに新たな根が出てくるので、必要ありません。 |
プランターへの定植
定植は大きく分けて庭や花壇などの露地植えと、鉢やプランター植えがあります。ここではプランターに植える手順を見ていきましょう。
1.鉢底石を敷く プランターの底に大粒の軽石(鉢底石)を1cm~2cm敷きます。これは、鉢底の通気性を良くして、深く張った根が充分呼吸できるようにするためです。なぜ、鉢底の土は通気性が悪くなるかというと、土が重みで押しつぶされることと、地表に比べて乾きにくいからです。すのこ状の鉢底網が付いているプランターは、この条件がクリアできるので、鉢底石の必要はありません。 |
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2.底に用土を入れて配置する 用土を少し入れてみて、その上に苗を置いてみます。苗の地際が地表の位置になります。このときちゃんと高さを決めておかないと、いざ土を入れたときに、バランスの悪い配置になります。プランターの上から、2~3cm下の位置が地表になるように調節します。 |
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3.土を入れる 配置が決まったら、土入れで苗のすき間を埋めるように土を入れていきます。土入れは鉢やプランターに土を入れるときにこぼれにくいので、大小1つずつもっていると便利です。 |
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4.土を突き入れる まんべんなく入ったら、箸のようなものでガシガシと土を突き入れていきます。こうすることで土と苗のすき間が埋まります。土が沈んだらさらに土を入れ、突き入れていきます。 |
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5.水やり プランターの排水溝から出てくる水が濁った色から澄んでくるまでたっぷりと水を与えます。この際、花や葉に水が跳ね返らないよう、株元近くから静かに与えます。 |
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