トレニア
- 科名
- ゴマノハグサ(アゼナ)科
- 学名
- Torenia
- 別名
- ハナウリクサ ナツスミレ ムラサキミゾホオズキ
- 原産地
- 東南アジア アフリカ
- 大きさ
- 高さ15cm~30cm
- 開花期
- 6月~10月
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
〔〕内は学名、T.はToreniaの略
東南アジア、アフリカにおよそ40種が分布する一年草、もしくは毎年花を咲かせる多年草です。花付きの良さと育てやすさ、暑さに強いなどの利点から夏の草花として花壇、鉢、コンテナ植え、寄せ植えなど幅広い用途で広く普及しています。名前はスウェーデンの牧師トレーンの名前にちなみます。
広く栽培されるフルニエリ
一般にトレニアの名前で栽培されているのはインドシナ原産のトレニア・フルニエリ〔T. fournieri〕とその変種や園芸品種です。春にタネをまいて夏から秋に花を楽しみその後枯れる春まき一年草として扱います。
草丈20cm~30cmでよく枝分かれしてこんもりと茂ります。花付きは非常に良く初夏~秋にかけてスミレに似たユニークなかたちの花を次々と咲かせます。ハナウリクサ、ムラサキミゾホウズキという別名があります。大きさは約3cmで、花色は濃い紫色が基本で白、紫、ピンク、赤などカラフルで、代表的な園芸品種に’クラウン’、’パンダ’などがあります。
その他の仲間
コンコロル〔T. concolor〕や、中心に黒紫色の目を持つ、目鼻立ちがくっきりした雰囲気のあるフラバ(バイロニー)〔T. flava =(T.bailloni)〕も普及しています。いずれも茎が立ち上がらずに横に這うようにして伸びる、ほふく性の種です。
コンコロルには斑入りの園芸品種があります。葉脈に沿って葉っぱが黄色く色づき、花だけでなく寄せ植えの葉っぱものとしても楽しめます。
属は違いますが比較的近い植物に、日本で夏の野草としてごく普通に見られるウリクサ〔Lindernia crustacea(= Vandellia crustacea)〕があります。
ひとくちメモ
動く雌しべ
めしべの先端が2つに割れており、そこに触れるとぴたりと閉じるおもしろい性質があります。
実験植物として
トレニアは実験材料として研究室などでもよく用いられます。特に受粉のメカニズムを解明する研究などでは、最も扱いやすい植物とされています。植物は通常、タネのできる部分(胚のう)が厚い皮(珠皮)に包まれています。トレニアは胚のうがむき出しで、受粉までのプロセスを生きたまま観察できるところに利点があるとされます。
光るトレニア
遺伝子操作で蛍光タンパク質を組み合わせ、光に当てると花が発光する「光るトレニア」が開発されています。用いられたのは、上記でも紹介した、フルニエリ種なのだそうです。
その他の画像
1.フルニエリ 2.バイロニー(フラバ) 3.コンコロル(斑入り)
関連する植物
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ウリクサ
ゴマノハグサ(アゼナ)科
日本全国の畑や庭の隅などで見かける野草です。春に芽を出して夏~秋に花を咲かせます