D. ミーディア
- 科名
- サクラソウ科
- 学名
- Dodecatheon
- 別名
- カタクリモドキ
- 原産地
- 北アメリカ西部
- 大きさ
- 10cm~40cm
- 主な開花期
- 5月~6月
- 耐寒性
- ふつう
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
主に北アメリカ西海岸の高原や湿り気のある草原の斜面などに自生する植物です。山野草として扱われ、カタクリもドキの名前で出回ります。
開花期は春~初夏にかけてで花茎を長く伸ばして、その先端に赤紫色や白色の花を数輪~数十輪咲かせます。花は下向きに咲きますが、花びらが上に反り返り、その姿が印象的でユニークです。晩春から初夏に地上部が枯れて翌春まで芽と根の状態で休眠する宿根草(しゅっこんそう)で、生育期よりも休眠期のほうが長いです。
地際からへら状の葉を放射状に出して花茎をまっすぐ伸ばすところはサクラソウ、反り返る花びらはシクラメンに似た感じです。
名前の由来
ギリシア語のドデカ(12)とテオス(神)からなり、ギリシア神話では十二神もしくはその神殿を指す言葉ですが、由来は不明です。英名はアメリカンカウスリップ、シューティングスターなど。
種類
〔〕内は学名、D.はDodecatheonの略
園芸で栽培されている代表的な種にプルケルム〔D. pulcheiium〕、ミーディア〔D. meadia〕、アルピナ〔D. alpinum〕などが知られています。
プルケルムは草丈30cm前後の中型種、後述のミーディアとよく似ているため間違ってその名前で出回ることもあります。ミーディアは草丈30cm-40cmのやや大型種、花色は赤紫色でカタクリモドキの別名があります。花色と花姿からカタクリを重ね合わせたのでしょう。アルピナはカリフォルニア原産の小型種で花は赤紫色、鉢で育てると草丈は10cm程度に収まりかわいらしいです。
育て方
- ・乾燥に弱い
- ・夏の暑さに注意
- ・冬の休眠期も乾かしすぎない
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 10月~3月 |
---|---|
肥料 | 4月下~7月上 |
日常の手入れ
休眠期と生育期
秋~春の生育期、初夏以降の休眠期に分かれ、その状況に合わせた管理が大切です。特に暑さを嫌がる植物なので、夏の管理も大きなポイントになります。
日当たり・置き場所
春に芽が出て葉を広げ、花が咲く頃までは充分日に当てて育てます。花後から地上部が枯れるまでは暑さを避けて半日陰の場所に置きます。葉っぱを広げている時期が基本的に生育期(3月~6月)です。
休眠期(7月~翌2月)に入ると日当たりは関係ないので軒下などでかまいません。暑さによわいので、熱の溜まらない風都市のよい場所がよいでしょう。葉っぱがないので状態はわかりにくいのですが、できるだけ夏は涼しく過ごさせることがポイントです。暑さに弱い反面、寒さには強いので特に防寒をする必要はないです。
春に花茎が伸びる頃、強い風に当てると花茎が倒れてしまうので気をつけましょう。
水やり・肥料
水の流れる周辺や湿り気のある草原などに自生しているところからもわかるように、水を好む植物です。水切れに注意し、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与えます。
休眠期も地中で根と芽は生きているので水切れは禁物です。土の表面が乾いていたら水を与えて適湿を保ちます。与えすぎると根が腐ってダメになってしまうので、やり過ぎには注意です。
春に芽が出る頃~花が枯れる頃までが肥料を与える時期でこの頃にしっかりと栄養を与えて生長させて来年に備えます。量はさほど多く必要とせず、ときどき液体肥料を与える程度でよいでしょう。
かかりやすい病害虫
葉っぱや花茎にアブラムシが付くので薬剤を散布するか、つぶします。
植え付けと用土
休眠中の株
休眠期が適期です。株分けもかねて行う場合は芽が出るちょっと前、3月頃がよいでしょう。株の中心には芽があるので、その部分を傷付け根異様に丁寧に扱いましょう。
水を好みますが、流れがあり水質が新鮮に保たれているような環境を好み、同じ水が停滞して淀んでいるような環境は嫌がります。水はけと水もちが良く、有機質の入った土が適しています。赤玉土や鹿沼土にピートモスを何割か混ぜたものなどがよいでしょう。水もちを良くするために刻んだり粉にした水ゴケを混ぜることもあります。
素焼き鉢が通気性も良く栽培に適していますが、非常に乾きやすいのでその点だけ注意が必要です。
ふやし方
株分け、タネまきでふやすことができます。
タネをまく場合は適期は秋に涼しくなってくる9月中旬~10月が適期です。タネをまいてから開花するまで早くて2年程度かかります。