トウカエデの育て方

街路樹としてよく知られる

ムクロジ科 「と」からはじまる植物 花木・庭木

トウカエデ
科名
ムクロジ(カエデ)科
学名
Acer buergerianum
別名
サンカクカエデ
原産地
中国 台湾
大きさ
10m~20m
主な開花期
4月~5月
耐寒性
つよい
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

中国の長江流域を中心とした地域、台湾に分布する落葉樹でカエデの仲間です。日本には江戸時代(享保年間)、長崎に渡来したのがはじめとされます。街路樹や公園樹としてかなり植えられている、本当に身近な樹木です。街路樹(高木)の中では植栽本数で全国5位です(平成24年 国土交通省 国総研資料 第 780 号)。幅広い環境に適応し、病害虫に強く、樹形も整えやすいので、それらの利点が買われての上位ランクインなのでしょう。変種や園芸品種は盆栽や庭木としても利用されます。

見た目

樹高は10m~20mになります。樹皮は灰褐色で、表面はささくれたように縦に剥がれます。

葉っぱは長さ4cm~8cmで、水かきの付いたアヒルの足のような形です。表面にはツヤがあります。主脈は葉のつけ根から三叉に分かれて伸びます。基本的に全縁(縁がまっすぐでギザギザにならない)ですが、幼木の葉はゆるいギザギザになります。枝には左右同じ位置に付く対生です。若葉は赤みがかった色で、秋に紅葉もしくは黄葉します。

花の時期は4月~5月で、若葉が完全に開いた頃に咲きます。細かく分かれた短い花茎に20コ程度の花がまとまって咲きます。花色は淡い黄色で、雄花(雄しべのみ)と両性花(雄しべと雌しべがある)が混ざって咲きます。果実は薄い膜状の翼型で、10月頃に熟します。

園芸品種

様々な園芸品種が知られています。〔〕内は学名。

幣取山(ぬさとりやま)

葉緑素の欠いた品種で、若葉は淡いピンクで美しく、夏には緑色になります。そのままでは生育できないので、普通のトウカエデに接ぎ木して栽培します。

花散里(はなちりさと)

若葉がピンクで、白→黄緑→緑と変化していきます。日陰でも葉の発色が良いです。

美濃八房(みのやつぶさ)

裂けた葉の一片一片がほっそりしています。

宮様楓(みやさまかえで)〔var. formosanum〕

台湾産の自然変種で、枝が直立しません。小型で、実がよく付きます。盆栽に適しています。

その他の画像

育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え付け 11月下~12月
剪定 5月中~7月 / 11月下~12月

日常の手入れ

強剪定は避ける

樹形を乱す徒長枝(勢いよく直立する枝)は積極的に切ってしまいますが、無闇な剪定はしない方が良いでしょう。特に、根元近くまで切り詰めるような強剪定は避けます。徒長枝は若木や枝を切り戻した場合に出やすいです。

芽吹く力が強く、枝もよく伸ばすのでスペースに応じて小さくまとめることはできますが、樹形ができあがってしまったら、大がかりな剪定はしない方が良いです。場所に余裕があれば、自然樹形で楽しむのが一番です。

剪定の時期

5月中旬~7月、11月下旬~12月です。

適した場所

水はけのよい適湿な土壌を好みますが、日当たりの良い場所なら土質を選ばずによく育ちます。日当たりが悪いと秋の紅葉が冴えません。耐寒性もあり、植栽適地は北海道南部~九州です。

植え付け

落葉して樹が完全に休眠に入る頃、11月下旬~12月が適期です。

かかりやすい病害虫

ウドンコ病、アブラムシなどの被害を受けます。

ふやし方

タネをまくか、さし木でふやします。

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