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育て方はこのページの下
- 科名
- ラン科
- 学名
- Ponerochis graminifolis
- 用途など
- 鉢植え
- 開花期
- 6月~7月
- 大きさ
- 高さ6cm~20cm
- 耐寒性
- つよいほう
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
育て方
- 夏の直射日光を避ける
- 過湿を嫌うので球根はやや浅めに植え付けます
- 雨の当たらない場所で育てます
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 2月~3月 / 11月 |
---|---|
肥料 | 4月~9月 |
日常の手入れ
季節ごとに置き場所、水やりなどが異なります。以下の項を参照にしてください
日当たり・置き場所
日当たりと風通しのよい、雨の当たらない場所を好みます。春に新芽が出る頃は充分に日光に当てます。葉が伸びてきたら、明るい日陰に置きます。ウチョウランは夏の暑さが苦手です。「午前中は日が当たるが午後は日陰」「風通しがよい」「雨が当たらない」この3つが生育期の置き場所のポイントです。
晩秋に葉が枯れて、地上部分がすっかりなくなってしまったら、寒風の吹き込まない棚下などに置いて管理します。休眠期も雨の当たらない場所に置くようにしましょう。暑さには弱い反面寒さには強い方で凍らせない程度の気温が保てれば枯れることはありません。
水やりと肥料
水やりはウチョウランを育てる上で一番大切なポイントのひとつです。成長段階に応じた水のやり方をマスターしましょう。
まず、冬の休眠時期はほとんど水を与える必要はありません。目安としては月に1回、土を湿らせる程度の水を与えるくらいで充分です。
本格的な水やりは3月下旬頃(関東南部より西の平地標準)より始めます。芽がでるまで1日1回鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。
芽が出て葉が完全に開いた状態になったら、用土が乾くまで水を与えないようにします。土の表面が白く乾いてからたっぷりと水を与えましょう。これを秋の休眠に入る前まで続けます。
また、水やりの際はできるだけ葉や花、茎に水がかからないように気を付けましょう。葉のつけ根に水がたまるとそこから茎が傷んで倒れてしまうことがあるからです。特に、風通しの悪い場合にも同様のことが起こるので気を付けましょう。
肥料は春の生育期から秋に地上部が枯れるまで週1回の割合で1000倍に薄めた液体肥料を与えます。肥料をちゃんと与えることで球根も大きくなり、花付きもよくなります。
適した土
くずれにくく、水はけのよい土が適しています。市販の山野草の培養土をそのまま使うのが手軽です。土を自分でブレンドする場合は、日向土(小粒)に赤玉土(小粒)を1~2割混ぜたものを用います。日向土(小粒)の単用でも栽培可能です。
植え替え・植え付け
植え付けの適期は2月~3月、もしくは11月頃です。鉢はやや小さめで深く、通気性のよいものが適します。鉢が大き過ぎると過湿気味になり、あまりよくありません。専用のウチョウラン鉢もありますが、素焼き鉢などでも充分に育てることができます。
2.5号鉢(直径7.5cm)に3~5球を目安に植え付けます。1球なら2号鉢(直径6cm)が適当ですが、1球植えよりも3~4球まとめて植えた方がよりよく育つと言われています。植え付ける深さは球根の頂点が地表から5~10mm程度の深さに位置するくらいの浅植えにします。それ以上深すぎると生育の際に株元が腐りやすく、浅すぎると新芽が育ちにくいので気を付けましょう。
ふやし方
分球とタネまきでふやすことができます。肥料を充分に与えて上手に育てると球根が増えるので、植え替えの際にこれを分けて植え付けます。
タネは非常に細かく、一般的なタネと異なり発芽するための養分をいっさい持っていません。自然界ではラン菌と呼ばれる菌を細胞内に取り込んでそれを消化吸収して発芽のための養分としています。 人為的にタネまきをする場合はシュンランやネジバナなど他のラン科植物を植えている鉢の株もとにタネをまくと、そこにはラン菌があるので発芽しやすいです。
フラスコを用いて無菌の培地で培養する方法もありますが、培地の作り方や手順など生産者やプロ級のことになるのでここでの紹介は省きます。
かかりやすい病害虫
害虫:アブラムシ ハダニ 病気:ウイルス病
花や葉にアブラムシが、葉裏にハダニが発生します。見つけ次第捕殺しましょう。
特にハダニは葉の裏に付くので見つけにくい場合があります。葉の表面が白っぽくなったりかすりが入ったような状態になった場合は葉の裏をチェックしてみましょう。細かい粉のような虫が付いていたらそれはハダニの可能性が大きいです。乾燥した環境で発生しやすいので乾燥させないように置き場所を工夫するなどの対策も大事です。
ウイルス病はアブラムシを媒介として発生します。症状としては小さな黒い斑点が徐々に帯状に広がっていったり葉がよじれたりして生育に支障を来します。他のウチョウランにも伝染しますので見つけ次第抜き取って焼却処理します。ただ、カビによる病気で黒い斑点が出ることもあるので判断は多少難しいかもしれません。