種類が多く千差万別

エピデンドルムとは

ランの仲間 「え」からはじまる植物

エピデンドルム
この植物の育て方
科名
ラン科
学名
Epidendrum
別名
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原産地
中南米
大きさ
高さ30cm~1m
開花期
種により異なる
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

中南米に約700種が分布するランで、カトレアとは近縁にあたります。自生地は低地から高地までと広く、性質や形状は大きく異なります。樹木や岩の上に根を張り付かせて生育する着生ランです。

細い棒状の茎が直立して、長だ円形の葉を左右互い違いに出すものが多く、ランと言うより草っぽく見えます。中には茎が垂れ下がったり、這うように広がる種もあり、草姿は千差万別です。一応、棒状の茎を伸ばすタイプを「長茎種」、茎がずんぐりと肥大するタイプを「短茎種」とざっくり2タイプに分けることもあります。花姿も様々で一言で「コレ」と言えるようなものではありません。花茎を伸ばしてその先端に小花を密に咲かせるラディカンス系が鉢花としても広く普及しており、鉢花として主に冬から春に出回ります。近縁種のカトレア、レリアと人工的に掛け合わせた属交配種も多く知られます。

名前の由来

花や草姿の違いから、一部は別種のエンシクリア属に分けることもあります。属名のエピデンドルムはギリシア語のエピ(上)とデンドロン(樹木)からなり、樹上に自生するところにちなみます。


種類・仲間

〔〕内は学名、Epi.はEpidendrumの略。現在はエシクリア属など別属に分類されているものも多いです。

イバグエンセ〔Epi. ibaguense = Epi. radicans〕

中・南米原産、棒状の茎を1m以上伸ばす長茎種。茎の途中から芽を出して茂ります。花は径3cm、花茎を伸ばしながら次々と咲きます。花色は赤~橙色で個体差があり、バラエティー豊富です。エピデンドルムの中でもポピュラーなもののひとつで、鉢花で広く出回るラディカンス系は本種が元となっています。

コクレアツム〔Epi. cochleatum〕

北米のフロリダからコロンビア、ベネズエラに分布します。茎は肥大してバルブをつくり、頂点に2~3枚の葉を付ける短茎種です。花は緑黄色で一部に濃い紫色の筋が入り、一本の花茎に10輪ほどの花を付けます。

ポリブルボン〔Epi. polybulbon = Dinema polybulbon〕

メキシコ~ホンジュラス、キューバ、ジャマイカなどに分布します。茎は肥大して高さ1cmほどの卵形になります。花は1cmほどの大きさで、淡い黄色で茶色のグラデーションが入り、一枚だけ白色になる。最近は別属のディネマに分類されることが多いです。

キンナバリヌム〔Epi. cinnbarinum〕

ブラジル原産の長茎種、ラディカンス系。赤橙色の花を球状に咲かせます。

ラディアツム〔Epi. radiatum = Epi. radiata〕

グアテマラ、メキシコ原産で茎は肥大してタマゴ型になる短茎種です。香りのある花は緑黄色で一部に紫色の筋が入り、10輪前後がまとめて咲きます。

キリアレ〔Epi. ciliare〕

メキシコ、西インド諸島、ブラジル原産。幅7~8cmの糸のように細い緑黄色の花びらを付けます。芳香性

ブラクテスケンス〔Epi. bractescens = Epi. aciculata = Encyclia bractescens〕

メキシコ、コスタリカ原産。芳香のある赤褐色の花を咲かせます。

ケントラデニア〔Epi. centradenia〕

コスタリカ、パナマ原産の小型から中型種です。細い木の枝のような茎を伸ばして細かい葉を付けます。主な開花期は秋から春で、径2cm~3cmほどの花をまとめて咲かせます。花色はピンクです。

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