ヤサシイエンゲイ

ランの女王様

カトレア

カトレア
科名:ラン科
学名:Cattleya
原産地:中央~南アメリカ
草丈:10cm-90cm
開花期:種により異なる
栽培難易度:バー バー バー バー バー
バー バー バー バー バー
(ふつう~むずかしい)

くわしい育て方

〔〕内は学名、C.はCattleyaの略

カトレアとは

中央~南アメリカに分布するランの仲間です。分類の仕方によって数は異なりますが、野生種は40種~80種あります。ランの中では最もメジャーなもののひとつで、名前だけでも聞いたことがある、と言う方も多いのではないでしょうか。

木の幹や枝、岩の上に根を下ろして生長します(このようなスタイルを「着生」と言います)。肥大する茎、厚みのある葉っぱ、太い根、など普通の草花と比べるとやや違った姿をしています。人の手で掛け合わせて作られた品種が膨大にあり、花の大きさや色は多岐にわたります。それもカトレアの魅力のひとつでしょう。寒さに弱いので、基本的に鉢植えにして、冬は室内に置きます。

ラベルなどに書く際の略号は「C.」です。

形状・生態

株元の茎(バルブ)は棒状や紡錘形にふくらみ、その先端に肉厚の葉を1枚付けます。バルブ同士は這うように伸びるほふく茎でつながっています。根は表面が分厚いスポンジ状の組織で被われていて、非常に太いです。根は乾いているときには白銀色に見え、水をやると内側が透けて緑色に見えます。草丈は小型種で10cm程度、大型種では1m近くになります。

開花期は種によって異なり、主に冬・春咲き、夏・秋咲きがありますが、不定期に年数回花を咲かせるものも多くあります。よい香りを放つ花もあります。

色や大きさ、姿、咲く数も様々ですが基本的に3枚のがく片と3枚の花びらで構成されており、中心の一番目立つ花びらはリップと呼びます。一部の種を除いて、バルブの先端から花茎を伸ばします。花の咲くタイミングはまちまちで、新芽を生長させながら咲かせる種、新芽が生長を完了してから咲く種があります。多くの種は花芽がシースと呼ばれる鞘に包まれています。花芽は生長するとシースを突き抜けて、花を咲かせます。

花の名称 各部名称

来歴

19世紀の初め、ブラジルで発見された株がスコットランドの植物園に送られたのが発端とされます。さらにその株がカトレイという人物に渡って開花したのが、世の中に広く知られ、カトレイの名にちなんでカトレア・ラビアタの名前が付けられました。

ブラジルからヨーロッパに植物を持っていく際、輸送中の傷みから植物を守る緩衝材(パッキン)にカトレアが混じっていて、それを育ててみると美しい花が咲いた。それがカトレアの発端である、と言うエピソードがあります。意図しない偶然から発見された、と言うおもしろい話ですが、イギリスの本に掲載された作り話が、広まってあたかも本当の話のようになったとも言われています。

分類

原種と交配種

野生のままの種を「原種」、異種同士を人工的に掛け合わせた種を「交配種」と呼びます。カトレアは19世紀から盛んに掛け合わせや改良が行われ、無数の交配種が存在します。原種は美しさの中にも野趣があり、交配種は原種にない様々な色彩の花があります。交配種は性質の強くて育てやすくて咲きやすいものが多いです。また、カトレアは個体差の大きい植物で、1つの種の中に花色や花姿の異なる種類がたくさん存在し、それらは「個体名」を付けて区別されます。

属間交配種

カトレアにはブラッサボラ、リンコレリア、レリアをはじめ近縁の属がたくさんあります。これらの近縁属同士は掛け合わせて新たな種を作ることができます。園芸ではそれらもまとめてカトレア類と呼ぶのが一般的です。属を超えた交配なので専門用語で「属間交配種」と呼ばれます。2属間、3属間、4属間などの交配があります。

属間交配種は新たな属として、分類上は異なる属名を付けられています。その属名を見ることで、どの属同士を掛け合わせたのかがわかるようになっています。ただ、近年はDNAによる新しい分類法によって属の統合や分離が進んでおり、以前の属名が大幅に変更されています。

■カトレア類の大きな属の変更点

カトレア→中央アメリカ原産で葉を2枚付ける種を独立させ「グアリアンセ」に
ブラッサボラ→一部を独立させ「リンコレリア」に
ソフロニティス→すべてカトレアに移動され、属自体が消滅
レリア→南アメリカ原産種がカトレアに移動

■属間交配種の主なカトレア類とその属名〔〕内は略号

ブラソカトレア〔Bc.〕…ブラッサボラ×カトレア
レリオカトレア〔Lc.〕…カトレア×レリア
リンコレリオカトレア〔Rlc.〕…カトレア×リンコレリア
リンコブラソレリア〔Rby.〕…ブラッサボラ×カトレア×リンコレリア

■今でもよく使われている旧属名

ソフロレリオカトレア〔Slc.〕…カトレア×レリア×ソフロニティス
ソフロカトレア〔Sl.〕…カトレア×ソフロニティス
ポティナラ〔Pot.〕…ブラッサボラ×カトレア×レリア×ソフロニティス

ミニとミディ

園芸では株の大きさで小型をミニカトレア、中型をミディカトレア と呼びます。厳密な定義はなく、見た目の大きさで判断する曖昧なものですがよく使われる呼び名です。通常のカトレアに比べると場所をとらないのが最大の利点です。手軽に楽しめるとっつきやすい種が多いですが、ミニやミディだから性質が強いとは一概に言えません。中には寒さに弱いものや、花つきの悪いものもあります。

ミニは非常に可愛らしい上に、株の大きさの割に大きな花を咲かせる種も多いです。ゴージャスさを求めるなら、より花の大きなミディが適しています。ミニは場所をとらない分、色々な種類を集めることができます。

主な種類

ドゥイアナ 〔C. dowiana〕
花色は黄色で、唇弁が鮮やかな赤色になります。たくさんの交配種の親となっています。

ラビアタ〔C. labiata〕
最初に発見されたカトレアです。花はピンクで、大きさは径15cm前後です。

パープラタ〔C. purpurata〕
夏咲きカトレアの代表です。変異が大きく花色の異なる個体が多く知られます。旧名レリア・パープラタ。

ワルケリアナ〔C. walkeriana〕
株は小型ですが、10cm前後の大きな花を咲かせます。変異が大きく、非常にたくさんの個体があり、どれも美しいです。カトレアの中でも愛好家の多い魅力的な種です。

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