真夏の元気草

ジニア(ヒャクニチソウ)とは

キク科 「し」からはじまる植物 夏~冬に咲く草花

ジニア リネアリス
ジニア・リネアリス
この植物の育て方
科名
キク科
学名
Zinnia
別名
ヒャクニチソウ
原産地
メキシコ
大きさ
高さ20cm~1m
開花期
7月~10月
難易度
★☆☆☆☆(やさしい)

こんな植物です

〔〕内は学名、Z.はZinniaの略

メキシコを中心に南北アメリカに15種類が分布する植物です。初夏~晩秋にかけての長い期間花を咲かせ続けるところから「百日草(ヒャクニチソウ)」とも呼ばれ、親しまれています。春に種をまいて夏から秋に花を楽しむ『春まき一年草』として扱います。

最もポピュラーなのは、エレガンス〔Z. elegans〕とその園芸品種で、日本ではヒャクニチソウの名前でおなじみです。エレガンスは「優美な」という意味です。野生種は一重咲きのおとなしいものが多く、18世紀ヨーロッパに導入された当初はさほど積極的に栽培・育種がされませんでした。19世紀になって八重咲きの品種が発見されてから様々な品種がつくられるようになりました。その後、気候の適したアメリカのカリフォルニアで盛んに栽培されるようになり20世紀に入って個性的な品種が数多くつくられました。

日本には江戸時代末期に入ってきました。栽培や品種改良が盛んになったのは戦後になってからで、それまでは仏花として栽培される程度だったそうです。現在では豊富な花色と種類があり花壇などにも広く利用されています。

草丈は高性種で1m、矮性種(丈の低い種)は20cmほどに収まります。野生種は一重で紫系の花を咲かせますが、園芸品種の花色は豊富で赤、ピンク、黄色、白、変わったところでは緑色の花を咲かせる「グリーン・エンビ」や絞り咲きなどがあります。

色々な分類

多くの園芸品種や系統があり、花の大きさで巨大輪種(径12cm以上)、大輪種(10cm前後)、中輪種(7cm前後)、小輪種(5cm以下)に分けられます。また、以下のような花の形があります。

名前の由来

属名のジニアはドイツの植物学者、ヨハン・ゴットフリート・ツィン(J. G. Zinn)の名前にちなみます。和名のヒャクニチソウは長い期間花を咲かせるのでこの名前があります。江戸末に入ってきたときは「長久草」とも呼ばれていたそうです。英名はコモン・ジニア(common zinnia)もしくはユース・アンド・オールド・エイジ(youth and old age)とも呼ばれます。


主な仲間

最近では、リネアリス(アンスグティフォリア)や園芸品種のプロフュージョンなど、昔からあるヒャクニチソウとは異なった種が広く出回っています。

リネアリス(アングスティフォリア)〔Z. linearis=Z. angustifokia〕

メキシコ原産で、和名はホソバヒャクニチソウ。名前の示すとおり葉が細く、草丈は30cmほどになります。オレンジ色の一重咲きでヒャクニチソウとはまた違った趣があります。野趣があり病気にも強いので花壇によく利用されます。園芸品種の'スターブライト'はオレンジのほか、黄色や白の花もあり、タネが広く出回っています。

プロフュージョン〔Z. 'Profusion'〕

エレガンスとアングスティフォリアを掛け合わせて作られた園芸品種です。径6cmほどで、病害虫に強いアングスティフォリアと花色が豊富で大きなエレガンスのよいところをとった品種です。

ハーゲアナ〔Z. haageana〕

和名メキシコヒャクニチソウ。花は一重と八重のものがあります。オレンジと赤のツートンカラーの花は印象的です。代表的な園芸品種にオールド・メキシコがあります。ツートンカラーの入り方に幅があって個性的です。

グランディフロラ〔Z. grandiflora〕

和名シュツコンヒャクニチソウ。大型で草丈は3m近くになります。耐寒性があって冬を越し、毎年花を咲かせます。

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