ヤサシイエンゲイ 私家版

カラフルで豪華なアヤメ類

ジャーマンアイリス

ジャーマンアイリス
科名:アヤメ科
学名:Iris germanica
別名:ドイツアヤメ
原産地:園芸品種
草丈:80cm〜1m
主な開花期:4月-5月
栽培難易度:バー バー バー バー バー
(そだてやすい)

くわしい育て方

〔〕内は学名、I.はIrisの略

ジャーマンアイリスとは

ヨーロッパから中近東に欠けて分布する様々なアヤメ類がかけあわさってできた園芸品種のグループです。大元となった種のひとつがイリス・ゲルマニカ(別名:ジャーマン・アリス)であると考えられており、そこから日本ではジャーマンアリスやドイツアヤメと呼ばれます。海外ではビアテット(ひげ)・アイリスやトール・ビアテッド・アイリスと呼ばれています。これは花びらの一部にヒゲのような突起が付く姿に由来します。
地際に太い根茎が分岐しながら這うように横に伸びていきます。葉は平べったくて先端が尖り、色は灰色がかった緑色です。草丈は低い品種で30cm前後、高性種は70cm〜1mになります。主な開花期は4月下旬〜5月で一本の茎から5個〜数10個のつぼみをつけます。羽成葉は6枚で内側の3枚(内花被)は花心を包むように立ち上がり、外側3枚(外花被)はだらんと垂れ下がります。非常に立体的でボリューム感のある花姿です。花色は赤はありませんが、それ以外はかなりカラフルに揃っており、白、黄、ピンク、紫、オレンジ、青、非常に濃い紫(黒く見える)、茶などがあります。外花被の付け根にあるヒゲも花びらと異なる色に色づくことが多く、花全体のコントラストがよいです。冬は茎葉が枯れて、根茎の状態で休眠します。花壇の他、切花にも向きます。

育種の歴史

ドイツやフランスでは1800年代初期に改良品種が始まったとされ、その後、1840年頃フランスのレモン(人名)により多くの品種が発表されました。しかし、当時の品種は小輪で現在のジャーマン・アイリスとは見た目もやや異なったようです。

ケンブリッジ大学教授で生理学者のマイケル・フォスター卿はそれまでにない大輪で美しい品種を作出し、現在につながる品種の礎を築きました。それまでは花の美しい品種はあったものの、現在のような大輪の品種はなかったそうです。

アイリス属の分類の基礎を確立したダイクスは大輪の黄花品種を世界で初めて作りました。アイリス協会により、その年に発表された最も優れたジャーマンアイリスの品種に対して与えられる「ダイクス・メダル」は彼の功績をたたえ、その記念として設けられた賞です。1927年に設立され、現在でも続いています。その後、アメリカでは元となった品種をヨーロッパから導入して、ウィリアス・モーアらによって、新しい品種が次々と生み出されました。現在の品種改良・育種の中心はアメリカです。

そして現在に至るまで、膨大と言える品種のジャーマンアイリスが作出されています。

元となった主要な種

改良初期の文献が存在せず、真に大元となった種の確定はむずかしいとされていますが、主に以下の種が関わっています。

ゲルマニカ〔I. garmanica〕
ジャーマンアイリスの名前の元となった種。ヨーロッパに広く分布しますが、原産地は不明。野生種ではなく、他の種が複雑にかけあわさってできた雑種と言われています。

バリエガータ〔I. variegata〕
オーストリア、ハンガリーに分布します。花は内花被が黄色、外花被が黄色と白で、茶色の筋がはいります。

パリダ〔I. pallida〕
オーストリア原産、藤色の花を咲かせます。

キプリアーナ〔I. cypriana〕
キプロス島原産、淡いラベンダー色の花を咲かせます。大輪品種の親となった種の一つです。

メソポタニカ〔I. mesopotanica〕
アルメニア原産、青みがかったラベンダー色の花を咲かせます。大輪の品種を作出するのに用いられました。

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