- 科名
- ユリ(ユリズイセン)科
- 学名
- Alstromeria
- 原産地
- 南アメリカ
- 大きさ
- 高さ30cm~1m
- 開花期
- 5月~11月
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
チリを中心にブラジル、ペルー、アルゼンチンなど南米に60~100の野生種が分布します。砂漠や砂丘に自生するものもあれば、森林に育つものもあり種によって生育地はまちまちで性質も異なります。原産地とその花姿から「ペールのユリ」「インカ帝国のユリ」などの異名があります。和名は「ユリズイセン(正確にはアルストロメリア・プシッタキナ(プルケラ)という特定の品種のことを指す)」です。
肉厚の葉を左右交互に出して、行儀よく二列に並びます。ディスティカムのように株元から子株を出して株立ちになる種もありますが、基本あまり子株はできず上に伸びていく種が多いです。茎は短くて葉のついた状態では見えず、古い葉が落ちたとき確認できます。
葉の間から花茎を伸ばして、先端に1~数十輪の花を咲かせます。花色は白が多く、花の後ろ側に距(きょ)と呼ばれる蜜が入った管があります。距はとても長くなり、アングレカムの魅力と特長になっています。花びらは肉厚のものが多くて、反るように思い切り開きます。 花の寿命が長く、開花して1ヶ月以上もつ種もあります。
地下茎を伸ばして地中に白くてやや細長い球根(塊根:根が肥大して球根状になったもの)をつくります。花の最盛期は5月~6月ですが、四季咲き性の品種は春~晩秋まで花を咲かせます。花色は白、オレンジ、ピンク、赤などカラフルで花びらには条斑(じょうはん)というすじ状の模様がはいるのが特長です。茎はやや太めでまっすぐ立ち上がり、葉っぱはなぜか180℃くるりとねじれて裏側が上を向きます。
名前の由来
アルストロメリアの名前はスウェーデンの植物学者アルストロメール(1794年没)に由来します。
来歴
日本にお目見えしたのは1920年代(大正時代末)のことですが、あまり親しまれなかったのか当時は広く普及せず、本格的に栽培されるようになったのは1980年代以降です。アルストロメリアはオランダで品種改良が盛んに行われ、それらが日本にも多く導入されています。近年は国内でも改良が進み、暑さに強い園芸品種など日本の気候にあったものも作られています。
品種・系統
品種により性質が異なり、改良に使われた種によっていくつかの系統に分けることができます。ただし、最近は他系統同士を掛け合わせて改良したものもあり、区別はあいまいになってきています。
カリオフィレア・ハイブリッド
カリオフィレア種を中心に改良したもので暑さに強い。
バタフライ系
四季咲き性で草丈が低い。耐寒性が強く凍らせなければ耐える。
ペレグリナ系
草丈40cm程度、大輪花でゴージャス。やや耐寒性が劣る。
リグツ系
チリ原産のリグツを中心に改良、草丈が高い。
関連する植物
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スイセン
ヒガンバナ科 難易度★★★☆☆
アルストロメリアにユリズイセンという別名がある